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アイアン・メイデンのエイドリアン・スミス 『Powerslave』の制作を回想 AC/DCやロバート・パーマーとのエピソードも

2024/05/31 21:11掲載
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Iron Maiden / Powerslave
Iron Maiden / Powerslave
アイアン・メイデン(Iron Maiden)のギタリスト、エイドリアン・スミス(Adrian Smith)は1984年アルバム『Powerslave』の制作について米Guitar Worldのインタビューの中で振り返っています。

このアルバムのレコーディングは、バハマのナッソーにある音楽スタジオ、コンパス・ポイント・スタジオで行われました。

「2 Minutes To Midnight」は、思いがけないゲストが感銘を受けたという。

「『Powerslave』の制作中に、AC/DCが新作の制作のためにスタジオにやってきたんだ。ブルース (ディキンソン) と俺はブライアン・ジョンソンと話をして“2 Minutes To Midnight”の最終ヴァージョンを聴いてもらったことを覚えている。彼はかなり感銘を受けたようだった。ブライアンはとても好意的だったけれど、単に社交辞令を言っただけかもしれない」

「2 Minutes To Midnight」はデイヴ・マーレイとスミスが素晴らしいソロを繰り広げる怒濤の曲。スミスによると、この曲は「4トラックレコーダーで録音したデモが元になっている」という。

アルバムの最後の曲「Rime of the Ancient Mariner」はスミスによると「13分もあるので最後まで演奏することができず、セクションごとに録音した」という。

スミスにとって、アルバムのタイトル・トラック「Powerslave」は印象的な曲だったという。スミスは笑いながら、こう話しています。

「“Powerslave”のソロは、よく覚えている。ひどく二日酔いだったんだ。俺たちは若者の集まりで、夜になると外出しては思いっきり遊んでいた。その日も夜中の3時まで外にいて、“明日の仕事は無理、やりすぎた”と思いながら家に帰った。

朝10時に、誰よりもパーティー好きだったマーティン(バーチ/アルバムのプロデューサー)からスタジオに呼ばれ、彼は(パワー・ステーションでも活躍したシンガーの)ロバート・パーマーと一緒に座っていた。彼は俺をデスクの前に座らせてソロをやらせた。本当にしんどかったけど、なんとかやり遂げたよ。面白いことに、それは俺のお気に入りなんだ」

スミスによると、『Powerslave』の制作中、素晴らしい作品を作っているという雰囲気が漂っていたという。

「俺はとにかくギターを弾いた。何も考えずに、でも何かがあるとは感じていた。あまりにも夢中になっていたので、良いものを作っていることは分かっていたが、客観的に見ることができなかった」

40年が過ぎた今、スミスはアルバム『Powerslave』について、最後にこう語っています。

「重要だった。俺らは13か月間、このアルバムのサポートツアーに出かけたが、多すぎたのかもしれない。それがブルースに悪い影響を与えた。13か月間、歌い続けるのは地獄のようだった。(当時)俺らは『Powerslave』のツアー以外の生活はなかった。結婚もしていなかったし、子供もいなかったけど、休息が必要だった。そのプロセスは、何人かのメンバーを限界まで追い詰めた。誤解しないでほしいんだけど、俺たちは楽しい時間を過ごしたし、『Powerslave』は重要だった。でも結局のところ、少しやり過ぎだった。それが後に多くの変化をもたらしたんだ」