John Norum - Photo by Tallee Savage
ヨーロッパ(Europe)の
ジョン・ノーラム(John Norum)は米Guitar Worldの企画で、「ステージ上で最も恥ずかしかった瞬間」「最初のギター」「最初に弾けるようになった曲」「初めてのライヴ」「ギターが保管されているビルが火事になり、1本だけ助けられるならどのギターを助ける?」「ギターのどんなところをもっと上手になりたい?」「若い頃の自分へのアドバイス」について語っています
●ステージ上で最も恥ずかしかった瞬間
「1986年の『The Final Countdown』の北欧ツアーの時だった。ツアー最後の公演はストックホルムで、地元の観客を前にやったんだ。興奮した僕たちはステージに飛び出し、僕はケーブルにつまずいてしまった。最初の曲が始まったけど、ケーブルが切れたことに気づいていなかったので、会場は完全に静まり返っていて、しかも、その一部始終がテレビ用に撮影されていたんだ! 結局、ライヴを一旦中断して、ケーブルを交換して、もう一度最初からやり直したんだ」
●あなたの最初のギターは?
「12歳頃に買った日本製のアービター。SGスタイルのボディにフェンダーのヘッドストックとトレモロバーが付いていた」
●最初に弾けるようになった曲は?
「母がアコースティックを弾いていたので、初めてコードを教えてくれた。エルヴィスにハマっていたから、“監獄ロック(Jailhouse Rock)”とか“Hound Dog”とかを教えてくれたよ」
●初めてのライヴはいつ?
「14歳くらいの時。僕が育ったストックホルム郊外の町、ウプランズ・ヴェスビーで行われた学校でのダンスパーティだった。ヨーロッパのオリジナル・ドラマー、トニー・レノとベースのピーター・オルソンの3人組バンドだった。ディープ・パープルとUFOのカヴァー曲を演奏したよ」
●ギターが保管されているビルが火事になり、1本だけ助けられるなら、どのギターを助ける?
「1984年から持っている65年製のストラト。とても独特な音色を持っているんだ。1984年以来、ほとんどすべてのアルバムで使っている。どのアルバムでも少なくとも2、3曲は使っているよ。“The Final Countdown”のソロでも使ったし、87年に発表した最初のソロアルバム『Total Control』でも使った。このアルバム全体はこのギターだけなんだ。80年代のギターで今も使っているのはこのギターだけだから、歴史があるんだよ」
●ギターのどんなところをもっと上手になりたいですか?
「ただ短いフレーズを弾いたり、速く弾いたりすることじゃない。今の僕にはそういうのはあまり意味がない。80年代は、速く弾くこと、一番になること、そういうことに夢中だった。後になって、それは時間の無駄だと気づいたんだ。
今はできるだけメロディックな演奏を心がけている。シンガーと同じように、コーラスやヴォーカルに耳を傾けながら、メロディーを考えていくんだ。ギター・ソロを弾くときは、ヴォーカルかコーラス・ラインのどちらかから一部分を抜き出して、それをソロに加えているよ」
●若い頃の自分へのアドバイスは?
「もう少しリズムに重点を置いたプレイをすべきだった。グルーヴやリズムに集中せず、リードばかり弾いていた。良いリズム・プレイヤーになれたのは、1990年にドン・ドッケンのアルバム『Up from the Ashes』で一緒に仕事をするようになってから。あの時、リズムの大切さに気づいたんだ。
ドンと仕事をすることで、多くのことを学んだ。スタジオで彼はよく“グルーヴが足りないから、もう一回やってくれ”と言っていた。スタジオでは全員でライヴ演奏していたから、リズムとグルーヴがとても重要になった。最初は大変だったけど、しばらくすると楽しくなった。ギターはリードを弾くだけでなく、リズムがとても重要なんだ」