ポール・ギルバート(Paul Gilbert)は、ソロを弾く前に欠かせない練習を挙げています。それは「リズム」。リズム感が第一であり、「その上に他のすべてのものを重ねていくんだ」という。Jordi Pinyolのインタビューの中で、練習方法について尋ねられたギルバートは次のように説明しています。
「僕は生徒が本当に弾けるものを提供したい。習得するのに2年かかるような、不可能なものは教えたくない。練習すれば、その日のうちに習得できるようなものがいいんだよ。でも、学ぶ過程で、何か新しいものを見せたり、何かに挑戦させたりする。だから、手の届くところにありながら、まだ挑戦が続いているような、そんな感じなんだ」
どのようなフレーズを教えようとも、基本は常にリズムの中にあるという。
「常にリズム感。ソロかもしれないし、ギター・ソロかもしれないけど、そこにもリズムの構造がある。
僕のほとんどすべての演奏にはリズムがあって、足を踏み鳴らしてリズムを意識している。13,000回ものレッスンをやったおかげで、自分自身の時間感覚や、時間を感じて演奏する能力が本当に向上したんだ。
リズムに合わせて演奏することはよくあることだけど、必ずしもそのリズムの上で演奏するのではなく、リズムの間や周りで演奏したり、シンコペーション(※強拍と弱拍の位置を本来の場所からずらしてリズムに変化を与えること)をしたりもする。ディスコやファンクでよく聴かれるようなものだよ」
ギルバートはその好例としてオハイオ・プレイヤーズの「Fire」とクール&ザ・ギャングの「Jungle Boogie」を挙げ、こう付け加えています。
「子供の頃は“ああ、これはクールじゃないな、僕は燃えるような熱いソロをやりたいんだ”と感じていた。でも、それは自分の中にあるリズムのコアを育てるためにとても重要なことだし、何をするにしても価値があることなんだ。だから、僕の練習はそれが主なことだと思う。リズムのあるものを練習して、その上に他のすべてのものを重ねていくんだ」