Michael McDonald / What a Fool Believes: A Memoir
マイケル・マクドナルド(Michael McDonald)は禁酒を始めて27年になりますが、禁酒を決意した大きなきっかけは、泥酔して妻のための大切な集まりから門前払いを食らったことでした。マクドナルドの新しい回顧録『What a Fool Believes』(海外5月21日発売)の中で語っており、また出版にあわせた米PEOPLEのインタビューの中でも語っています。
マクドナルドは、妻の薬物とアルコールの回復のための家族カウンセリングに参加することを止められ、彼は重要な決断を迫られました。
「退室するように言われた僕は、ナースステーションを見渡した。“さて、どうするつもりですか? 今のままでここに来てはだめです。どうしますか?”と言われた。当時の僕はそういう質問が大嫌いだった。“どうするのか?”。誰にも訊かれたくなかったんだ。僕はただ“わからない”と言いました」
その何年前、マクドナルドはアルコールとコカインの常習性が悪化し、1日の大半をそれの影響下に置くまでになりましたが、当時のガールフレンドのアパートが警察に家宅捜索され、麻薬が見つかったため、一年間の保護観察処分を受けました。彼は断酒会に出席するよう指示され、世話人もいました。
家族カウンセリングの席でマクドナルドが門前払いを食らったとき、彼は15年ぶりにその世話人と再会しました。
「彼は“ここで何してるの?”と言ったので僕は“追い出されたと思う”と答えた。その時、頭の中で声が聞こえた。それは自分の声ではなかった。とってとても不思議なことだった。でも、頭の中ではっきりと“万事休す”という声が聞こえた。僕はまず、一体誰が“万事休す”なんて言ったのかと思ったのを覚えている。そんな言葉は人生で一度も使ったことがなかった。
それから、それを乗り越えた後、突然、今が決断をしなければならない瞬間だと気付いた。バスはもう一回出発するかもしれないが、そのバスが戻ってくるときには僕はここにいないかもしれない。そうなった瞬間に僕が失うものはとても大きかった」
そして、マクドナルドはその夜、「僕にしては珍しく」なんとか断酒し、翌日には再び断酒会に参加しました。
「自分の中で何かが変わったと思った。自分がどこにいるのか、どこから来たのかを忘れて、次の酒を手にしてしまったら、もう元には戻れないかもしれないということを、はっきりと感じた瞬間だった」
現在、マクドナルドは27年間禁酒していますが、変わらないことがひとつあるという。「次の酒を手に取らない限り、僕は大丈夫だ」ということです。
「未来に向かう僕の最大の強みは、自分の過去を鮮明に覚えていること、記憶を失わないとこと、そして決して、それを手にすることはないから、それを手にしたいと考えない、そういうことを学んだことだ。
僕にとっては本当に一日一日のことであり、今日という日をできる限りベストな形で生きようと、日々新たな努力をして決断しなければならない。素晴らしいのは、ある日突然振り返ると、瞬く間に30年が過ぎていて一日一日を過ごしているように思えることだよ。それも人生だ」