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マイケル・マクドナルド、白人が黒人の曲をカヴァーし賞賛されていることに気づいたことについて/年齢とともに声がどのように変化したか等を語る

2024/05/21 17:57掲載
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Michael McDonald
Michael McDonald
マイケル・マクドナルド(Michael McDonald)は米ラジオ番組『Fresh Air』のインタビューの中で「ゴスペルにインスパイアされたドゥービー・ブラザーズ(The Doobie Brothers)“Takin' It To The Streets”の作曲について」「白人アーティストが黒人ミュージシャンの曲をカヴァーし、賞賛されていることに気づいたことについて」「年をとったことで、声がどのように変化したかについて」などを語っています。

マクドナルドはまず、こう話しています。

「自虐的に言うつもりはないんだけど、なぜみんなが僕をミュージシャンとして高く評価してくれるのか、ずっと理解できなかった。僕は実際のところ、多かれ少なかれ、ピアノを少し弾く程度のソングライターなんだ」

●ゴスペルにインスパイアされたドゥービー・ブラザーズ「Takin' It To The Streets」の作曲について

「この曲のイントロが頭に浮かんできて、ライヴに行くのが待ちきれなくて、ピアノをセッティングしてピアノでコードを弾いたんだ。ゴスペルのオープニングのような感じがした。当時はゴスペルが大好きだった。社会の隙間からこぼれ落ちていく人々、そして、お互いにどうすればより良いことができるのか......そういうアイデアを表現するのに、ゴスペル以上にふさわしいモチーフがあるだろうか。

この“Takin' to the Streets”を思いつくのにちょっと時間がかかった。お互いにもっとうまくやらなければ、こうなってしまうという考えから生まれたものだった。いずれにせよ、決着はつくだろう。進歩的なアイデアや改革は簡単には生まれないし、それらは必然的に生まれるものである.... いずれにせよ、僕たちは同じ土俵で会うことになるのだから、不満からそうしなければならなくなる前に、互いへの愛と思いやりと共感から、それができるかもしれない」



●白人アーティストが黒人ミュージシャンの曲をカヴァーし、賞賛されていることに気づいたことについて

「僕の世代では、多くの人がそういう経験をして育ってきたと思う。白人の子供たちは、パット・ブーンが“Tutti Frutti”を書いたと思っていた。当時のアメリカでは、ラジオも何もかもが隔離されていたので、僕たちはそれ以上のことを知らなかった。

僕たちの文化の強固な一部であったものが分断されてしまったのは悲しい。それらは常にアメリカから切り離され、そのような芸術形式をアメリカにもたらし、アメリカに真の芸術形式を与えた人々への謝意を表していなかった。ジャズ、R&Bミュージック、ゴスペルなどだ。

例えば、ブリティッシュ・インヴェイジョン・バンド。ローリング・ストーンズの“It's All Over Now”を書いたのはボビー・ウーマックと彼の兄弟で、(オリジナルは)ザ・ヴァレンティノスというグループの曲だった。ストーンズがこの曲をリリースしたとき、この曲はブラックラジオでNo.1ヒットを記録した。

ポップ・レコードだと思っていた音楽のルーツが、実はブルースの伝統に根ざしていて、他のアーティストが得たその曲の成功を享受できなかったアメリカのアーティストによって書かれたものだったということに、僕はいつも驚かされているよ」

●黒人コミュニティで大きな存在であることについて

「僕たちの音楽を気に入ってくれた友人たちからそのようなことを言われるたびに、とても光栄に思っていた。僕にとっては、自分が本当にやりたかったことは、自分なりのやり方で、自分が本当に信じているアメリカの音楽を表現することだったからね。そのようなことができる特権を得たこと、そして、それを観客に受け入れてもらえたのは、とても幸せなことだよ」

●年をとったことで、声がどのように変化したかについて

「声というのは、よく言えば、順応性のある楽器で、特に年齢を重ねるにつれて、常に声と交渉し直しているようなものなんだ。今の年齢では、自分の強みは何か、何を使って歌を表現できるかを考えている。ある意味、若い頃のような音域や音感で歌えればいいなとは思う。でも残念ながら、そういうものは年月とともに変わっていくものなんだ。

キーを下げたりすることにはあまり抵抗がなくなってきたし、特に、それがパフォーマンスを向上させるのであればなおさらだね、いろいろなことが変わったこと気が付いたんだ。歌っているとき、何がまだ自分に合っているのかを学ばなければならない。昔のような音を出そうとして、騙すようなことは避けたい。今自分が一番得意とすることをしたいんだ」