Noel Gallagher and Paul Weller - Photo by @keenybaby1
ノエル・ギャラガー(Noel Gallagher)は英MOJO誌の最新号で
ポール・ウェラー(Paul Weller)を語る。ウェラーの最新アルバム『66』の特集の中で、ウェラーの友人であり、頻繁なコラボレーターであり、かつての飲み友達であるギャラガーが、常に変化し続けるウェラーについて語っています。
「何か食べに行く途中、メッセージが届いたんだ。“曲があるんだけど、歌詞を書いてくれないか?”。彼がアルバムを作っていることは知っていたが、どの段階にいるのかは知らなかった。彼はいいタイミングで俺を捕まえた。思いついたことをメモして30分後に送り返したら、それが(ポール・ウェラーの新曲)“Jumble Queen”になった。すべてインスピレーションだった。
彼から連絡があったのは、1年後、初めてアルバムを聴いたときだった。彼はアルバムの感想を聞いてきたので“かなり格好いいんじゃない?”と答えると、彼は“つまらないって言っているか?”と言った。違う! 聴けば聴くほど、その良さがわかってくる。ウェラーの現実は、年を取れば取るほど、自分自身が楽になり、常に成長しているからこそ、より良くなっていく。たぶん多くのソングライターが、ロックダウン中に内省的な時期を過ごしたと思う。それも関係していると思うけど、子供の頃にハマったアーティストの中で、今でもリリースを楽しみにしている人はあまりいない。ニール・ヤング、モリッシー、ジョニー・マー、ポール・ウェラー。他には思いつかないな。
彼は常に新しいことをやろうという意欲を持っていた。(ザ・ジャムの)“Eton Rifles”から“Town Called Malice”へのジャンプは計り知れないし、その数ヵ月後にはスタイル・カウンシルをやっている。彼は実際、自分ほど前向きでないアーティストに苛立っている。彼は、ほとんどのアーティストが同じようなことを繰り返して、逃げていると思っている。90年代のあるライヴの前に楽屋で誰かが間違えて“ちくしょう、Town Called Maliceをやってくれないのかよ”と言った。すると、楽屋で大騒動が起きた。当時、彼は過去の曲は一切演奏しなかったんだ。
まだ酒を飲んでいたころの彼は、もっと対立的だった。ある時、バッキンガムシャーの俺の家でパーティーがあってギターが転がっていた。決して良い考えではないが、誰かが“ポール、君の曲を聞かせてくれよ”と言った。俺だったら“Wonderwall”か“Don't Look Back In Anger”をやるだろうから、少なくとも(ザ・ジャムの)“That's Entertainment”くらいはやってくれるだろうと思った。彼はまだ完成していない新しい曲をやったんだよ! 完全な沈黙だった。容赦なかった。90年代後半のある日の午後、彼とオープンカーのミニに一緒に乗っていたときのことをよく覚えている。横断歩道で車を停めたとき、一人の若者が道路を横断していた。火曜日の午後、(ロンドンの)メリルボーンで俺たち2人を見かけたんだ。この若者が口を開けて立ち止まったとき、ウェラーが運転席で立ち上がり、“おい!早くどけ!”と叫んだんだよ。
彼がパイプとスリッパが似合う時代に入ったとは言わないが、誤解を恐れずに言えば、彼はまだトリッキーなところがあるが、最近は確実に人当たりが良くなっている。結局のところ、ウェラーやニール・ヤングのような人たちについて言えることは、彼らが本物だということだ。彼は“That’s Entertainmen”やイギリスを形成してきた名曲の数々を書き直そうとは決してしない。だからこそ、人々は彼に最大限の敬意を抱いている。それが長く続くことを願っているよ」