ミニシアター再訪〈リヴィジテッド〉: 都市と映画の物語 1980-2023
シネマスクエアとうきゅう、岩波ホール、シネ・ヴィヴァン六本木、シネマライズ、ユーロスペース、Bunkamuraル・シネマ、シネスイッチ銀座……小さな劇場たちの“夢”の軌跡をたどった旅の記録。書籍『ミニシアター再訪〈リヴィジテッド〉: 都市と映画の物語 1980-2023』がアルテスパブリッシングから5月27日発売。
同時代を並走してきた映画評論家が、劇場や配給会社など当時の関係者たちの証言を集め、彼らの情熱と映画への愛、数々の名画の記憶とともに、都市と映画の「物語」をたどる渾身の書。
■『ミニシアター再訪〈リヴィジテッド〉: 都市と映画の物語 1980-2023』
大森さわこ著
定価:本体3500円[税別]
四六判・並製 | 604頁
発売日 : 2024年5月27日予定
ISBN 978-4-86559-291-7 C1074
ブックデザイン:小沼宏之
<内容>
シネマスクエアとうきゅう、岩波ホール、シネ・ヴィヴァン六本木、シネマライズ、ユーロスペース、Bunkamuraル・シネマ、シネスイッチ銀座……
小さな劇場たちの“夢”の軌跡をたどった旅の記録。
1980年代初頭、
「ミニシアター」が日本の映画界に大きく花開いた。
バブル崩壊、シネコン襲来、リーマンショック、コロナ禍と、
逆風に翻弄されながらも、
新宿・六本木・渋谷・銀座・神保町・恵比寿などの街とともに
生きつづけてきたミニシアター。
同時代を並走してきた映画評論家が、
劇場や配給会社など当時の関係者たちの証言を集め、
彼らの情熱と映画への愛、数々の名画の記憶とともに、
都市と映画の「物語」をたどる渾身の書!
川本三郎さん(評論家)推薦!
ミニシアターを「私の学校」として育った
大森さわこさんの思いのこもった本書を読むと、
あの時代に女性たちが輝いていたことに気づく。
◉本書に登場するおもな映画館
シネマスクエアとうきゅう、岩波ホール、シネ・ヴィヴァン六本木、シネマライズ、ユーロスペース、Bunkamuraル・シネマ、シネスイッチ銀座、シネセゾン渋谷、銀座テアトルシネマ、シアター・イメージフォーラム、恵比寿ガーデンシネマ、シネクイント、シャンテ・シネ、吉祥寺バウスシアター、俳優座シネマテン……
◉本書に登場するおもな映画
『ミツバチのささやき』『ストップ・メイキング・センス』『眺めのいい部屋』『ゆきゆきて、神軍』『ベルリン・天使の詩』『八月の鯨』『バグダッド・カフェ』『ニュー・シネマ・パラダイス』『ナイト・オン・ザ・プラネット』『ポンヌフの恋人』『さらば、わが愛/覇王別姫』『トレインスポッティング』『バッファロー’66』『アメリ』『アメリカン・ユートピア』……
<CONTENTS>
まえがき──ミニシアターの旅のはじまり
第1章 未知数の1980年代──新しい夢のはじまり
1981年|東京ミニシアター元年
❶新宿・シネマスクエアとうきゅう──企業のミニシアター第1号
❷六本木・俳優座シネマテン──初のレイトショー専門館
❸渋谷・パルコ・スペース・パート3──多目的ホールと映画上映
六本木からのNEW WAVE
◎カルチャービル、WAVEとシネ・ヴィヴァン六本木の誕生
渋谷の新しい可能性
❶ユーロスペースと『ゆきゆきて、神軍』の成功
❷渋谷の夜を変えた音楽映画『ストップ・メイキング・センス』
1987年|銀座の巻き返しが始まる
❶シャンテ シネと『ベルリン・天使の詩』の大ヒット
❷シネスイッチ銀座と『ニューシネマ・パラダイス』の記録的ロングラン
第2章 ブーム到来の1990年代──ミニシアターの暑い夏
渋谷系の流行|宇田川町の暑い夏
❶シネマライズ──『トレインスポッティング』現象
❷シネセゾン渋谷──『グランブルー』リュック・ベッソン人気
❸シネクイント──『バッファロー’66』ヴィンセント・ギャロ・ブーム
渋谷の文化施設|Bunkamura登場
◎東急系の大人の劇場──ル・シネマ
住宅街のミニシアター
◎恵比寿ガーデンシネマの始まり
神保町の元祖ミニシアター
◎岩波ホールの軌跡
第3章 変化する2000年代──夢のあと、新しい船出
ミニシアターからシネコン時代へ
◎テオ・アンゲロプロスの遺作『エレニの帰郷』とフランス映画社の終焉
ミニシアター最後の日
❶2013年5月31日 消える映画の聖地──銀座テアトルシネマ
❷2014年6月10日 街の名物劇場の終わり──吉祥寺バウスシアター
❸2016年1月7日 渋谷の青春、最後の夜──シネマライズ
21世紀のミニシアターをめざす
◎四谷三丁目から渋谷へ──シアター・イメージフォーラム始動
コロナ禍に起きたこと
❶2020年 緊急事態宣言と初の休館──4館を追って
──Bunkamuraル・シネマ、シアター・イメージフォーラム、
シネスイッチ銀座、ユーロスペース
❷2021年 ライヴ映画の思わぬ成功
──新生シネクイントと『アメリカン・ユートピア』のロングラン
❸2022年 岩波ホール閉館──54年の歴史を終えて
パンデミック後の展望
◎4館を再訪する
──Bunkamuraル・シネマ、シアター・イメージフォーラム、
シネスイッチ銀座、ユーロスペース
あとがき──再訪(リヴィジテッド)の旅をおえて
主な参考文献
映画作品名INDEX
映画館名INDEX
<プロフィール>
大森さわこ(Sawako Omori)
映画評論家、ジャーナリスト。1980年代より評論・取材・翻訳を手がける。
著書に『ロスト・シネマ 失われた「私」を求めて』(河出書房新社)、『キメ手はロック 映画101選』(音楽之友社)、『映画・眠れぬ夜のために』(フィルムアート社)。訳書に『ウディ・オン・アレン』『ウディ』(ともにキネマ旬報社)、『カルトムービー・クラシックス』(リブロポート)ほか。雑誌『ミュージック・マガジン』、ウェブマガジン「CINEMORE」などにも寄稿。「SCREEN ONLINE」で「大森さわこの“英国・映画人File”」を連載。
近年は英国での活動もあり、キングストン大学(ロンドン)のケン・ラッセル学会のメンバーとして、研究書ReFocus: The Films of Ken Russell(Matthew Melia編、エディンバラ大学出版局)にも寄稿。