ゲイリー・フロイドは米アーカンソー州生まれ。テキサス東部に移ってからパフォーマンスを始め、1980年にディックスを結成。バンドはアメリカにおける最初のハードコア・ウェーブの初期に登場し、リード・ヴォーカルを務めたフロイドは、暴れまくるステージングと 「The Dicks Hate the Police」のようなアンセムでパンクの伝説としての地位を確かなものにした。フロイドは、パンク・バンドとしては初めてゲイであることを公表したシンガーのひとりでもあった。
フロイドは1980年代後半にカリフォルニアに移り住み、ディックスの新しいヴァージョンを始めた。フロイドはその後、ブルージーなインディー・バンド、シスター・ダブル・ハピネスを結成し、1995年に解散するまで4枚のアルバムをリリースした。ディックスは2004年に再結成し、2015年のドキュメンタリー映画『The Dicks From Texas』の題材ともなった。