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エディ/ブライアン/ヴァイ/ルカサー/イングヴェイら40人以上参加 ドゥイージル・ザッパが30年以上制作する新曲について語る

2024/05/03 19:09掲載(Last Update:2024/05/03 19:44)
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Eddie Van Halen and Dweezil Zappa
Eddie Van Halen and Dweezil Zappa
ブライアン・メイ、ジョー・ウォルシュ、エリック・ジョンソン、スティーヴ・ヴァイ、スティーヴ・ルカサー、スティーヴ・モーズ、ブライアン・セッツァー、ジミー・ヴォーン、ロベン・フォード、アンガス・ヤング、マルコム・ヤング、イングヴェイ・マルムスティーンなど、“少なくとも”40人のギタリストが参加し、エディ・ヴァン・ヘイレンがソロを披露しているという。

フランク・ザッパの息子でギタリストのドゥイージル・ザッパ(Dweezil Zappa)は、30年以上取り組んでいるというインストゥルメンタル曲「What The Hell Was I Thinking?」について、ポッドキャスト『The Vinyl Guide』の最近のインタビューの中で話しています。

ドゥイージルは、この曲を完成させるために抱えた無数の問題や、ようやくこの曲を完成させることができる状態になったことを話しています。

「1990年、いや1989年からこれに取り組んできた。長い道のりだよ」と語るドゥイージルによると、オリジナルのレコーディングでは、機材の問題が生じたという。

「例えば、ギター、ベース、ドラムを録音したとしよう。わずかなピッチの変化は聴こえないが、オーバーダブをしようとすると、チューニングが安定しないので、ギターとベースはすべてやり直さなければならなかった。録音されたものの中には、オーバーダブを加えることができないものもいくつかあった」

また、古いアナログ録音をソニーのデジタル・マルチトラック・レコーダー(48トラック)に移し替える作業を行った際には、マシンが勝手にトラックを消し始めたという。

「そのせいでいろいろなものが食われてしまい、オリジナルのアナログ・テープに戻って、別のデジタル・フォーマットに移さなければならなかった」

これはすべて、レコーディングがデジタル化される前の話。オリジナル・トラックをコンピューターに取り込むのが次のステップでしたが、それさえもそう簡単にはいかず、ドゥイージルのハードディスクが破損したという。

ドゥイージルはこの呪われたプロジェクトに「What The Hell Was I Thinking?(訳:一体全体何なんだ?)」という適切な名前が付けました。

再びドゥイージルは古いアナログ・テープをDAWに転送することになりましたが、しかし、こうしたさまざまな危機は、彼にレコーディングのコンセプトをより作り上げる時間を与え、また、現在のスタジオにあるDolby Atmos録音技術を使うことで、90年代に完成していたら不可能だった没入感のあるオーディオ処理を施すことができるようになりました。

「心配はしていないよ。聴けるときが来れば、そうなるさ」

「この曲のアイデアは、常に変化し続ける音楽ということだった。スタイルごとに変化するし、音楽が行われている場所の雰囲気も変化する、昔のレコードのようなサウンドから、ライヴ・ハウスのようなサウンドになるかもしれない」

ドゥイージルは2020年、Sunset Sound Recordersのインタビューの中でこの曲を「オーディオ・ムービー」と表現していました。ドゥイージルによると。ギター、ベース、ドラムだけのインストゥルメンタルで、エレキギターから新しいサウンドを引き出してるという。

「ギターからバグパイプのような音を鳴らすんだ。ギターがさまざまな役割を担っている。そしてゲストが登場する。刻々と音楽のスタイルが変化し、スピーカーから様々なギタリストのサウンドが聴こえてくるんだ」

そのギタリストの1人がエディ・ヴァン・ヘイレンで、ドゥイージルは彼のパートは特に特別だと言う。ヴァン・ヘイレンの最初のアルバムでエディが使ったオリジナルのギターアンプを使って5150スタジオでレコーディングされたという。

「彼は長い間それを使っていなかった。その時点では、彼はPeaveyと一緒に設計した5150アンプを使っていたんだけど、僕らは古いアンプを引っ張り出してきたんだ。

彼には2つのソロをやってもらったんだけど、メインのソロは彼の最高のギター・フレーズのグレイテスト・ヒッツを全部を集めたようなものなんだ。それはジョークみたいなもので、僕は“ソロのフレーズを全部並べて、それをつなげられるかどうかやってみる、というはどうだろう?”と言ったんだ。彼は“どのフレーズ?”と言ったので、僕は彼に見せなければならなかった。“このフレーズを弾いて!”ってね。それで彼は“俺みたいな音なんだから、自分で弾けばいいじゃないか”と言っていたよ」

ドゥイージルによると、イングヴェイ・マルムスティーンにはスローなブルースを演奏してもらったという。

「イングヴェイ・マルムスティーンもいるよ。本当にゆっくりしたブルースを演奏してもらった。彼は(自分の曲では)まだ70億音符を弾いているけど、この曲では本当に遅いテンポで演奏しているから、余計に速く聴こえるんだよ」

ドゥイージルによると、ブライアン・メイはスタジオに着いて、自分のパートが5/4拍子だと知ったとき、彼はパニックになり、その拍子では演奏できないと主張したという。とはいえ、ドゥイージルによると、問題なく演奏できたそうです。

ドゥイージルはこの作品をいつ完成させるのか明言していませんが、ツアー後に再び取り掛かるため、完成は近いようです。ドゥイージルはエリック・クラプトン、ジミー・ペイジ、デヴィッド・ギルモアにも参加を呼びかけているという。