ガンズ・アンド・ローゼズ(Guns N' Roses)のデビュー・アルバム『Appetite for Destruction』は今でこそ全米で最も売れたデビュー・アルバムとも言われていますが、発売当初は売れ足が鈍く、米ビルボード誌のアルバム・チャートの初登場は182位で、発売数ヶ月で20万枚しか売れませんでした。その商業的な不振からゲフィン・レコードはこれ以上は無理だと判断して、タオルを投げ入れる寸前までいったことを、ガンズを発掘した敏腕A&Rトム・ズータウが明かしています。
『Appetite for Destruction』はその後、全米で史上7番目に売れたアルバムとなり、最も売れたデビュー・アルバムにもなったのですが、特にMTVが「Welcome To The Jungle」のミュージックビデオを流すことに難色を示していたこともあり、当初はそのような未来は見えませんでした。
もちろんその後、このアルバムは音楽業界史上最も売れたロック・デビュー・アルバムになった。ストリーミングの世界でさえ、まだ誰もそれを上回っていない。僕には見えていたんだ。世界最大のアルバムになると思っていたし、世界最大のバンドになると思っていた。ビジョンを持っていない連中にバンドのキャリアを潰させるつもりはなかった。“November Rain”や“Don't Cry”とか......『Appetite』には多くの曲が残っていたから、素晴らしいフォローアップがあることはわかっていたしね。Stay The Course(航路を守れ/どんな状況でも目的地を見失うことなく、航路を守りながら進め)だよ」