これら2枚のアルバムは、ルーサー・ヴァンドロスがEpic Recordsと契約し、1981年に「Never Too Much」で華々しくデビューする以前の作品となります。ルーサー・ヴァンドロスはソロ・デビュー前、デヴィッド・ボウイ『Young Americans』(1975年)など数多くのセッションでバック・ヴォーカルを務めていましたが、その合間に、自身を中心とするプロジェクト「ルーサー」名義で、Cotillion Recordsから2枚のアルバムを発表しました。これら2枚のアルバムはチャートに入ることはありませんでしたが、その洗練された楽曲と、ルーサーの若々しくも情熱的な歌声のマリアージュで、好事家たちの間では“伝説のアルバム”として語り継がれてきました。後にアーティスト本人が権利を買い戻し、いっさいCD化やデジタル配信をされていませんでした。一時は中古レコード市場で数万円の高値で取り引きされていたほどで、まさしくソウルミュージック・ファン垂涎のお宝アルバムとして知られています。
ソウルミュージックと、その後のR&Bシンガーたちに決定的な影響を与えた歌手:ルーサー・ヴァンドロスは惜しくも2005年7月1日、54歳の若さで亡くなりましたが、今もジャンルを超え多くの歌手からリスペクトされるアイコンであり続けています。2024年1月、米国で開催されたサンダンス映画祭でプレミア上映されたドキュメンタリー『Luther: Never Too Much』(監督:ドーン・ポーター/音楽監督:ロバート・グラスパー)は、40年以上にわたるキャリアを追いながら創作の裏側と知られざる素顔に迫った作品と、多くのアーティストや音楽業界人から絶賛されています。
【アルバム紹介】 ●2024年4月19日リリース:『ルーサー』(1976年作品) すべての楽曲をルーサーが書き下ろし。力強くファンキーなビートと、モータウンで数多くのヒットを生んだポール・ライザーによる流麗なアレンジに乗って歌い上げるルーサー節が心地よい。ナット・アダレイJr.(key)など、80年代以降のルーサー・サウンドを形成するキーマンが早くも参加している。 〈収録曲〉 “LUTHER” 1.Funky Music (Is A Part Of Me) 2.The 2nd Time Around 3.I’ll Get Along Fine 4.Everybody Rejoice (From the Tony Award Winning Musical, “THE WIZ”) 5.Emotion Eyes 6.This Strange Feeling 7.It’s Good For The Soul (Parts I And II) Bonus Track(CD/デジタル配信のみ) 8. The 2nd Time Around (Instrumental)
●2024年6月7日リリース:『ディス・クロース・トゥ・ユー』(1977年作品) 前作に続き、全曲ルーサーが書き下ろし、ポール・ライザーが編曲を担当。バックを固めているのは、ナット・アダレイJr.(key)やコーネル・デュプリー(g)、ウィル・リー(b)ほか東海岸の敏腕ミュージシャンたち。シックのナイル・ロジャーズ(g)も参加している。フィリー・ソウル的な甘く心地よいメロディーと歌声は前作以上に高く評価されている。 〈収録曲〉 “THIS CLOSE TO YOU” 1.This Is For Real 2.A Lover’s Change 3.Don’t Take The Time 4.Jealousy Is In Me 5.I’m Not Satisfied 6.This Close To You 7.Don’t Wanna Be A Fool 8.Come Back To Love 9.Follow My Love Bonus Tracks(CD/デジタル配信のみ) 10.Can’t Get Enough Good Loving 11.Come Back To Love (Instrumental) 12.Don’t Wanna Be A Fool (Instrumental)