ジャズドラム界の巨匠アルバート・“トゥーティ”・ヒース死去

ジャズの歴史を創り上げてきたレジェンド・ドラマー、アルバート・“トゥーティ”・ヒース（Albert "Tootie" Heath）が死去。米ラジオ局WRTIによると、4月3日にニューメキシコ州サンタフェのクリスタス・セント・ヴィンセント地域医療センターで亡くなっています。妻によると、死因は白血病。88歳でした。

アルバート・ヒースはペンシルベニア州フィラデルフィア生まれ。テナー・サクソフォーン奏者のジミー・ヒース（Jimmy Heath）とダブルベース奏者のパーシー・ヒース（Percy Heath）の弟です。

1957年、ジョン・コルトレーンの下でレコーディング・デビューを果たす。その後も、アート・ファーマーやデクスター・ゴードン、ソニー・ロリンズ、J・J・ジョンソン、ウェス・モンゴメリーなど、その時代をリードする多くのミュージシャンと共演した。彼の洞察力と順応性に富んだビートは、ウェス・モンゴメリーの『The Incredible Jazz Guitar of Wes Montgomery』、ニーナ・シモンの『Little Girl Blue』、ハービー・ハンコックの『The Prisoner』など、現在では名盤と呼ばれる数々のアルバムで聴くことができる。1975年にはヒース3兄弟はピアニストのスタンリー・カウエルとともにザ・ヒース・ブラザーズを結成、活動した。

アルバートは数多くのワークショップや教室で指導にもあたった。2018年にはジャズ・ファウンデーション・オブ・アメリカから生涯功労賞を授与された。2021年にはジャズに貢献した人物に与えられる称号であるNEAジャズ・マスターズにも選ばれた。