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イングヴェイ・マルムスティーン 「俺のサウンドを形作ったわけではないが、それでも素晴らしいと思う11人のギタリスト」発表

2024/03/29 14:54掲載
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Yngwie Malmsteen
Yngwie Malmsteen
イングヴェイ・マルムスティーン(Yngwie Malmsteen)は「俺のサウンドを形作ったわけではないが、それでも素晴らしいと思う11人のギタリスト」を発表。米Guitar World企画。

Guitar Worldは通常、「私のサウンドを形作った10人のギタリスト」を特集していますが、イングヴェイは「自身のサウンドを形作ったギタリスト」はいないということで、今回は特別編を特集しています。

「傲慢だとか、人の悪口を言っていると思われたくないんだ。アンガス・ヤングやブライアン・メイなど、多くのクラシックプレイヤーが大好きだ。彼らはみんな素晴らしい。でも、彼らのように演奏したいとは思わなかった。彼らが自分のスタイルで演奏するのを聴くのが楽しかっただけなんだ。

俺はずっとギター・マニアだ。起きているときはいつもギターを抱えていたし、電車の中でもバスの中でも弾いていた。フレットボードを探求しすぎて、俺の前にロックンロール・ギタリストがやっていたものよりも、この楽器にはもっと多くのものがあることに気づいたんだ。

今でもB.B.キングやビリー・ギボンズが大好きだ。みんな大好き。ただ、彼らのように弾きたくはなかった。必ずしも意図的なものではなかったけど、カーク船長のように、誰も行ったことのないところに行きたかったんだよ!」

1. Jimi Hendrix

「ジミは音楽的な影響というより、視覚的なものだった。俺は家族の中で一番年下で、オペラ歌手や音楽家の叔母や叔父がいる。4歳の誕生日にヴァイオリンを買ってもらった。5歳の誕生日に初めてギターを買ってもらった。

6歳の誕生日にはトランペットを買ってもらい、トランペットのレッスンやピアノのレッスンなどを始めた。全然興味なかった。だから、ギターは持っていたけど、壁に掛けてある子供のおもちゃみたいなものだった。

7歳のとき、ジミ・ヘンドリックスが亡くなり、テレビで彼の映像が流れた。ジミがギターを壊して燃やしているのを見て、“ワオ、これはかなりクールだ!”と思って、壁からギターを持ち出したんだ。

兄はすでにギターを弾いていたけど、俺は何も聞かなかった。ただギターを手にして、その瞬間から弾き始めたんだ。とてもはっきり覚えているよ」

2. Eric Clapton

「俺の最初のエレキ・ギター・ヒーローはエリック・クラプトンだったと思うが、当時は知らなかった。母がジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズのアルバムを持っていたんだけど、誰がギターを弾いているのか全然知らなかった。ただ聴いて“これは本当に好きだ!”と思ったんだ。

理由も誰かもわからないまま、そのサウンドに魅了された。そしてすぐに、ほとんどのロックンロールが5つの音で構成されていることに気づいた。それについてあまり良い気分はしなかった。何か違うことをしたかった。

そして8歳頃にジェネシスに出会った。まったく新しい音楽の世界のように感じたけど、ギタリストに影響されたわけじゃない。(キーボーディストである)トニー・バンクスは、あのバンドの誰よりも俺に大きな影響を与えたと言える。嘘じゃないよ!

彼はコードの転回やパッセージを書いていて、それが俺にヨハン・セバスチャン・バッハ、ヴィヴァルディ、ベートーヴェン、そして最終的にはパガニーニへと導いてくれた。クラシック音楽を聴いていると、ロックンロールの音は少し限られているように感じた。だから、ロックンロールのアンサンブルのサウンドに、自分なりのクラシックの影響を入れ始めたんだよ」

3. Ritchie Blackmore

「8歳の時にディープ・パープルの『Fireball』を手に入れ、それがヘヴィ・メタルを聴いた最初だった。10歳になる頃には、ディープ・パープルの『Made In Japan』のすべての音を弾けるようになっていた。

“Child In Time”、“Strange Kind of Woman”、“Demon's Eye”が好きだった。全部いいサウンドだった。でも、それが全部このペンタトニック・ボックスのものだということがわかった。それが悪いというわけじゃない。俺が初めてアメリカに来たとき、彼らの心は爆竹のように爆発した。“クールなギタープレイだ!”なんて感じじゃなかった。彼らは何が起こっているのか理解できず、文字通り床に倒れていた。

俺は、後にネオクラシック・ロックと呼ばれるようになるものを演奏していた。正直に言うと、俺は他の(ネオクラシック・ロックの)ギタリストの演奏を聴いたことがなかった。確かに、ベートーヴェンの曲を少しやってからブルースに戻るようなギタリストはいたけれど、俺ほどそれをやっていたギタリストはいなかった」

4. Jimmy Page

「ジミー・ペイジは大好きだ。15歳くらいの時に『The Song Remains The Same』という映画を観た。近所に古い映画を上映している場所があった。その映画は公開されてからしばらく経っていた。初期の頃は彼らのことは知らなかった。ディープ・パープルしか知らなかった。

ある人が“『The Song Remains The Same』を観に行くべきだ”と言っていたから観に行ったんだけど、“うわ、この男がスーパースターになるのも不思議じゃない!”と思ったよ。彼らの姿はとてもクールでワルだった。ペイジ、ボーナム、プラント...ベーシストもだ!

あのバンドのすべてが素晴らしかった。“Immigrant Song”とか“Since I've Been Loving You”とか好きでだった。あれに圧倒されないわけがない」

5. Eddie Van Halen

「ヴァン・ヘイレンのデビュー・アルバムを聴く前に、セカンド・アルバムを聴いたと思うが、思い出せない。当時は、ベーシストやドラマーがレコードを持ってきていたから、新しいものを知ることができた。すぐにヴァン・ヘイレンが大好きになった。今でもそうだよ!

エディの素晴らしさもさることながら、俺をノックアウトしたのは彼だけではなかった。バンド全体の姿勢であり、彼らがライヴで曲をどのように披露するかだった。それが彼らを好きになった理由。もちろん、エディは天才だった」

6. Steve Vai

「スティーヴは大切な友人であり、彼自身完全に唯一無二な存在だ。完全に個性的なサウンドを持つということは、ギタリストにとって最も稀なことのひとつなんだ。たいていのギタリストは似たような音を出すからね。

悪いことを言っているように思われたくはないが、ほとんどのギタリストは他のギタリストの演奏を聴いているように思えて、そのギタリストもまた別のギタリストの演奏を聴いて学んでいるように思える。それは、人々が陥るちょっとした罠になりかねない。

その理由は俺にもわかる。ギターは最高にクールだ!最高にカッコいい。ギターを弾いているときほどクールなものはないだろう?チューバなんて誰も聴きたくないんだよ。

その魅力に疑いの余地はなく、これからも消えることはないだろう。ニッコロ・パガニーニがロマンチックな恋の駆け引きのためにギターを手にしたことを知っているだろうか?彼は文字通り、ギターをナンパに使ったんだ。でたらめじゃないよ!」

7. Al Di Meola

「俺は彼の家のすぐ隣に住んでいる。彼の家の前を車で通るよ。彼は信じられないくらいピッキングがうまい。二人ともナイロンのクラシックギターの音が好き。スチール弦のアコースティックとは全く違う音色を持っている。

彼がナイロンに移行したのはキャリアの後半だと思う。最初はエレクトリックで、『Friday Night In San Francisco』ではスチール弦のアコースティックを使っていた。その後ナイロンを弾き始めた。

数年前、マイアミで彼の演奏を観たが、すべてナイロンだった。でも、『Friday Night...』のレコードで聴けるナイロンは、パコ・デ・ルシアかジョン・マクラフリンだよ」

8. Uli Jon Roth

「彼は俺の最も好きなギタリストの一人。彼を知ったのは、あるドラマーがアルバム『Tokyo Tapes』を持ってきたのがきっかけだった。そのアルバムを聴いたときには、すでに今のような演奏をしていた。

すぐに彼の演奏が気に入った。俺が育ったスウェーデンは、社会主義のクソみたいな国だった。ラジオもテレビもなかったので、何かに触れることはなかった。人々はレコードを買って、パーティーか何かでそれを聴くこともあったかもしれないが、俺はまだ7歳か8歳だった。パーティーにも行かなかった。

ブラック・サバス、レッド・ツェッペリン、ユーライア・ヒープ、そういったものを聴いたことがなかった。ディープ・パープルだけで、地球上で一番クールだと思っていた。音楽的にも文化的にも奇妙な環境だったと思う。俺はいつも成功しないと言われていた。

ミュージシャンは本当の仕事じゃないと言われたり、髪を切れと言われたりした。俺はそういうことが大嫌いだった。だからアメリカに来て、“ちくしょう、ここが俺の居場所だ、最高だ!”と感じたんだ。今から40年前のことだよ」

9. Brian May

「ブライアン・メイは、ペンタトニック・ボックス奏者以上の存在だ。彼はハーモニーやメロディックなものを暗示させることができ、それが実に巧妙に聴こえた。以前、そのことについて彼に話したことがあるんだけど、“あれは単なる3番、5番、ルートじゃなかった、何を弾いていたの?”と聞いたら、彼は“いやあ、やりながら全部作ってたんだ!”と言っていたよ。

“くそったれ”と思ったよ!何をやっているにせよ、最高だよ。彼は超いいヤツなんだ。彼らはかなりメインストリームだったけど、クイーンはやろうと思えばかなりヘヴィになれた。“Death On Two Legs (Dedicated To...)”みたいな曲が大好きだよ」

10. Allan Holdsworth

「あの男は電話帳を弾いても美しい音にすることができた。彼が選んだ音は、もし他の誰かがそのように弾こうとしても正しくなかっただろうね。でも彼なら......なんてこった!

“In the Dead of Night”という曲を初めて聴いたときのことを覚えている。あまりの素晴らしさに腰を抜かしたよ。彼は正気じゃなかった! 彼は全音階からあらゆるクレイジーなアイデアを演奏することができた。紙の上ではうまくいかないかもしれない。でも、彼はそれをやってのけて、みんなを“すごい!”と思わせるんだ。

ある意味では、俺はアラン・ホールズワースと似たようなことをしたと思う。彼はサックスを吹きたかったから、ギターの音をとても滑らかにした。一方、俺はヴァイオリンの影響を受けた。それは俺の耳にとても刺さり、美しかった。ビブラートとアルペジオの音が好きだった。明らかにギターは全く違う楽器だけど、ヴァイオリンは今でも俺のアプローチに影響を与えているんだ」

11. Angus Young

「俺らはサウンドは全く違うかもしれないけど、俺は情熱を持って彼のことが好きなんだ。一音一音を大切にするストレートなロックンロールといえば、アンガスだ。

彼はギタリストとして過小評価されているとさえ言える。彼はとても興味をそそるし、いつもいい音を出している。彼は俺の大切な友人でもある。ブライアン・ジョンソンもそうだし、彼は俺からそう遠くないところに住んでいるんだ」