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エリック・クラプトンがパティ・ボイドに書いたラヴレターは2300万円 デレク・アンド・ザ・ドミノスのアルバムアート原画は3億7700万円で落札

2024/03/24 20:35掲載
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Pattie Boyd with La Jeune Fille au Bouquet, by Emile Theodore Frandsen de Schomberg, used as the cover artwork for Layla and Other Assorted Love Songs. Photograph: Yui Mok/PA
Pattie Boyd with La Jeune Fille au Bouquet, by Emile Theodore Frandsen de Schomberg, used as the cover artwork for Layla and Other Assorted Love Songs. Photograph: Yui Mok/PA
エリック・クラプトン(Eric Clapton)が、友人ジョージ・ハリスン(George Harrison)と結婚していたパティ・ボイド(Pattie Boyd)を誘惑するために書いたラヴレターがオークションに出品され、119,700ポンド(約2300万円)で落札されています。また同じオークションで、クラプトンがデレク・アンド・ザ・ドミノスのアルバム『Layla and Other Assorted Love Songs』のアートワークに選んだ、エミール・セオドア・フランセン・ド・ショーンバーグによる原画「La Fille au Bouquet(花束を持つ少女)」が1,976,000ポンド(約3億7700万円)で落札されています。こちらは落札予想価格の33倍という驚きの高値での落札でした。

ハリスンの「Something」や、クラプトンの「Layla」「Wonderful Tonight」にインスピレーションを与えたことでも知られているパティ・ボイドは、このラヴレターや原画を含む手紙、写真、宝石、絵画など、彼女の私物の一部をオークションに出品しました。これらコレクションは総額2,818,184ポンド(約5億4000万円)で落札されています。

ボイドはモデルであり、1960年代のスウィンギング・ロンドンの象徴でした。ビートルズの映画『A Hard Day's Night』の撮影現場でハリスンと出会い、1966年にハリソンと結婚しました。1960年代の終盤、クラプトンとハリスンは親しい友人となり、作曲やレコーディングを共に行うようになりましたが、この頃、クラプトンはボイドに夢中になりました。

クラプトンからボイドへと送ったラヴレターは1970年10月に書かれたもので、速達で送られたという。クラプトンはボイドにこう懇願しています。

「親愛なるLへ......(※クラプトンはボイドを“レイラ”と呼んでいた)

お聞きしたいのは、まだご主人を愛しているのか、それとも他に恋人がいるのか、ということです。これらの質問はすべて、とても不謹慎なものだとわかっていますが、もしあなたの心にまだ私への気持ちがあるのなら......私に知らせてください!実際のあなたの気持ちが何であれ、私に知らせてください...」

友人の妻を誘惑しようとすることが一般的にマナー違反とされていることを明らかに承知しているクラプトンは、ボイドに手紙で返信するようアドバイスしており、「電話をしないで!」と促しています。

ボイドは当初、この手紙を熱狂的なファンが書いたものだと信じていたようです。オークション会社のクリスティーズの取材に対し、「エリックからの手紙だとは思いもしませんでした。変なファンからの手紙だと思ったの。ジョージにも見せたのよ!」と語っています。ボイドが手紙を書いた人物の正体に気づいたのは、その日の夜、クラプトンから電話がかかってきて、彼から何か手紙が届いていないかと尋ねたときだったという。「なんてこと、あなたからの手紙だなんて気がつかなかったわ!」と彼女は振り返っています。


A love letter from Eric Clapton in 1970. Photograph: CHRISTIE’S IMAGES LTD. 2024

クラプトンは数カ月後の1971年1月に『二十日鼠と人間』から破いたタイトルページに別の手紙を書きました。

「過去の快楽のためなら、僕は家族も、神も、そして自分自身の存在も犠牲にするだろう......僕は心の果てにいる......僕は風に耳を傾け、暗く沈む雲を眺め、気配や仕草を求めて足元の大地を感じたが、あるのは沈黙だけだった。なぜためらうのか、僕が貧しい恋人なのか、醜いのか、弱すぎるのか、強すぎるのか、なぜだかわかるかい? あなたが僕を欲しければ、奪ってください。僕を必要としないなら、僕を縛る呪縛を解いてください。野生の動物を檻に入れることは罪であり、手なずけることは神である。僕の愛はあなたのものです」

この2つの手紙の落札予想価格はそれぞれ10,000~15,000ポンド(約190万円~約290万円)でした。英ガーディアン紙によると、119,700ポンド(約2300万円)で落札されたのは、1971年1月に書いたラヴレターのようです。

クラプトンはボイドを“レイラ(Layla)”と呼び、その年に同名のロックの名曲を書きました。「Layla」も収録されたデレク・アンド・ザ・ドミノス『Layla and Other Assorted Love Songs』のアルバム・カヴァーに使われた、エミール・セオドア・フランセン・ド・ショーンバーグによる原画「La Fille au Bouquet(花束を持つ少女)」の落札予想価格は60,000ポンド(約1150万円)でしたが、予想額の33倍にあたる約200万ポンドで落札されました。