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2023年の全世界のレコード産業 売上は9年連続増加 ストリーミング有料加入者数が初めて5億人突破 全世界の総フィジカル収入のほぼ半分はアジアから

2024/03/22 13:05掲載
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世界のレコード産業を代表する国際レコード産業連盟(IFPI)の「グローバル・ミュージック・レポート2024」によると、2023年、全世界のレコード産業の売上は前年比10.2%増の286億ドルで、9年連続で増加しています。IFPIが世界の音楽収入の集計を開始した1999年以降で最高水準でした。

この成長は、主にストリーミング配信によってもたらされたものです。ストリーミングの総売上は、有料会員と広告収入で構成されていて、2023年は前年比10%増の193億ドル、全世界の業界全体の売上の67.3%を占めています。

主要なストリーミング・サービスの多くが過去12~18ヶ月の間に主要地域で利用料金を値上げしたため、世界の有料ストリーミング収入が増加。その総額は140億ドルとなり、2022年の127億ドルから増加し、世界の音楽売上のほぼ半分(48.9%)を占めています。

消費者のコスト上昇にもかかわらず、IFPIによると、ストリーミング・サービスの有料加入者数が2023年に初めて5億人を突破しました。有料会員アカウントのユーザー数は全世界で6億6700万人を超えています。

ストリーミングだけでなく、フィジカル・フォーマット(CDやアナログ盤等)の売上も増加しています。2023年、CDとレコードの合計売上は3年連続で増加し、2022年の合計から13%増の51億ドルとなりました。アジアは全世界のフィジカル売上のほぼ半分(49%)を生み出しています。IFPIは、アジアが引き続きフィジカル市場を支配している理由として、K-POPアーティストの売上が好調であったことを挙げています。市場シェアでは、2023年はフィジカル・フォーマットが市場全体の18%弱を占めています。2022年の17.5%からわずかに上昇しました。

2023年に減少を記録した唯一のフォーマットは、デジタル・ダウンロードとIFPIがその他(非ストリーミング)と分類するデジタル・フォーマットで、2.6%減の9億ドルでした。

IFPIによると、世界の音楽市場については、IFPIが追跡調査している58市場すべてで音楽収入が増加。米国は7.2%増で1位を、日本は7.6%増で2位をキープ。3位と4位はそれぞれイギリス(8.1%増)とドイツ(7%増)。第5位は中国(25.9%増)で、トップ10の中で最も速い伸び率を示しています。