Phil Manzanera / Revolución to Roxy
ロキシー・ミュージック(Roxy Music) の
フィル・マンザネラ(Phil Manzanera) は新しい回顧録『Revolución to Roxy』の中で、
カニエ・ウェスト(Kanye West) &
ジェイ・Z(JAY-Z) の楽曲に自身のギター・リフがサンプリングされて大金を稼いだことを「ある晩にテレビの前のソファで書いた短いギターリフで、ロキシー・ミュージックのメンバーとして50年間稼いだお金よりも多くのお金を稼ぐなんて誰が想像できただろう?」と振り返っています。
カニエ・ウェスト&ジェイ・Zが2011年にリリースしたアルバム『Watch The Throne』のオープニング曲「No Church In The Wild」では、マンザネラが1976年にリリースしたソロアルバム『K-Scope』のタイトル曲のギターリフがサンプリングされ、4分32秒にわたってループしています。
回顧録の中から、このエピソードの抜粋がinewsに掲載されています。
ある日、ニューヨークのRoc-A-Fella Recordsの担当者から電話を受けたマンザネラは、カニエ・ウェスト&ジェイ・Zが翌週リリース予定のアルバムにマンザネラのリフをサンプリングしたことを知らされます。しかし、マンザネラは最初、何かの間違いだと思いました。
マンザネラは「電話をくれてありがとう。でも間違いだと思うよ。ザ・ドアーズのレイ・マンザレクと時々間違われるんだ。たぶん彼のことだと思うよ」と答えたという。
マンザネラは続けて、「自分の記憶の奥底をできるだけ深く掘り探っていくと、レコーディングが終わりに近づき、何か新しい演奏ができないかと途方に暮れていたことを漠然と思い出した。ある晩、ソファに座ってギターをいじっていたら、とても気に入ったリフに出会った。数回弾いただけで、翌日スタジオでレコーディングし、その後はすっかり忘れていたよ」と振り返っています。
そしてそれから30年以上経ったある日、マンザネラはサンプリングしたと連絡を受けます。マンザネラは、このリフを使用したことについて、自分は何も発言していないと述べています。
「僕はヴァージンのビジネス担当者に電話して、幹部と話をした。Roc-A-Fella Recordsからの電話について話し、何か知っているかと尋ねた。彼女は“ええ、私たちはそのことを知っています"は快活に答え、“何週間も彼らと話し合っていたんです”と言っていたよ」
ヴァージンの幹部は、レーベルが著作権を管理しているため、マンザネラの許可は必要ないと答えたという。幹部はすでに、この曲の売上からロイヤリティの3分の1をマンザネラが受け取るよう交渉済みだと付け加えました。その幹部は、マンザネラがこの曲から得る収入は、おそらくジェイ・Zやウェストよりも多くなるだろうとさえ口にしました。
マンザネラは演奏だけでなく、この部分も作曲もしているため、彼は音楽出版の仕事を担当しているユニバーサルにも連絡しました。ユニバーサルもマンザネラより数週間早くサンプリングのことを知っていて、彼のために音楽出版の収入から3分の1をマンザネラに分配するよう交渉していました。
2011年8月8日にリリースされたアルバム『Watch The Throne』は、アメリカとデンマークでプラチナ・ディスクを獲得し、イギリスではゴールド・ディスクを獲得しました。
「1978年のある晩にテレビの前のソファで書いた短いギターリフで、ロキシー・ミュージックのメンバーとして50年間稼いだお金よりも多くのお金を稼ぐことになるなんて、誰が想像できただろう? ありがとう、カニエ・ウェスト、ありがとう、ジェイ・Z、ありがとう、ヴァージンとユニバーサル、そしてロックンロールという気まぐれな愛人に感謝する」
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