DRAGON BALL モノクロ版 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
鳥山明『ドラゴンボール』がヒップホップ/ラップに与えた影響について、米ニューヨークのカルチャー誌The Faderが追悼特集しています。同誌のラップ・コラムは「確たるデータはないが、『ドラゴンボール』はおそらくラップ史上最も一貫して引用されたアニメであることに賭けてもいい」とも述べています。
特集ではまず、『ドラゴンボール』がヒップホップに与えた具体的な例として以下を挙げています。
●Lil Boosieの「Cartoon」の歌詞には“ドラゴンボール”が登場する。
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●Sicko Mobbのミックステープ『Super Saiyan, Vol. 1』は、アニメにはほとんど言及していないが、その代わりにエネルギーをパワーアップする感覚を表現している。
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●Frank Oceanの「Pink Matter」では、パートナーの“口にするのがはばかられるもの”を魔人ブウに例えている
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●BeatKingの「Heavy on a Check」では、曲のイントロでなぜかトランクスとフリーザについて語っている。
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●『ドラゴンボール』のラップで最も決定的なのは、Soulja Boyの「Goku」だろう。初期にバイラル現象になっただけでなく、アニメやビデオゲームがまだ少しクールでなかった時代に、アニメやビデオゲームへの愛をオープンにしていた。
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そして、特集ではウータン・クランのRZAの自論を紹介しています。
RZAは『ドラゴンボール』好きを公言した最初のラッパーの一人で、それは1998年にさかのぼります。RZAは自身の著書『The Tao of Wu』の中で、悟空の物語を「アメリカにおける黒人の旅」というパラレルなものとして捉えている理由を“流浪の戦士が自らのレガシーを受け入れ、祖先の力を利用することでスーパーパワーを発見するから”と説明しています。
特集では最後にこうまとめています。
「ある意味、ラップにおけるポップ・カルチャーの引用は、ほとんどサンプリングの一形態と言えるかもしれない。既存のレコードをひっくり返したり、ある言葉に新しい意味を与えたりするのと同じように、自分が好きなアニメやコミックの主人公になりきって想像することは、身の回りにあるものを再利用し、再解釈することで、自分自身の経験を表現する方法なのだ。
鳥山明は、ヒップホップに驚くべき影響を与えたことを意識したことすらなかったかもしれないが、彼のキャラクターは、数え切れないほどのアーティストたちに、自分たちの現実を理解し、耐えるためのレンズを提供した」