沖縄ではどんな音楽がレコードになったのか? 書籍『沖縄レコード音楽史:〈島うた〉の系譜学』がミネルヴァ書房から3月26日発売。民族音楽調査にはじまりスタジオ録音、現地録音、ライブ録音そしてカバー録音まで、レコード化された沖縄の音楽を詳細に描く労作。
■『沖縄レコード音楽史:〈島うた〉の系譜学』
高橋美樹 著
ISBN:9784623096596
判型・ページ数:A5・352ページ
予価:定価6,050円(本体5,500円+税)
<内容>
沖縄にレコードや蓄音器などの録音メディアが導入されたことで沖縄の音楽はどう国内外へとひろまっていったのか。本書は、民族音楽調査にはじまりスタジオ録音、現地録音、ライブ録音そしてカバー録音まで、レコード化された沖縄の音楽を詳細に描く労作。
[ここがポイント]
◎ 沖縄ではどんな音楽がレコードになったのか
◎ 沖縄の音楽が隆盛するようになるまでを支えた人々の動向とは
<目次>
まえがき
第1章 沖縄における音楽録音の黎明
1 沖縄音楽初の商業レコード――大阪蓄音器
2 初の沖縄音楽専門レーベル――大阪のマルフク・レコード
3 那覇市の沖縄音楽専門レーベル――琉球ツル・レコード
4 ブラジルの日系人専門レーベル――コンチネンタル・レコード
第2章 田辺尚雄による沖縄音楽調査とレコード収集
1 一九二二年の沖縄・八重山諸島音楽調査
2 田辺尚雄が収集した沖縄音楽レコード
3 大阪蓄音器制作による最古の沖縄音楽SPレコード
4 日本蓄音器商会制作によるSPレコード
5 ニッポン・レコード制作による沖縄音楽SPレコード
6 トモエ・レコード制作による沖縄音楽SPレコード
7 日本コロムビア・レコード制作による沖縄音楽SPレコード
第3章 《安里屋ユンタ》の伝播と普及――スタジオ録音
1 沖縄を代表する歌《安里屋ユンタ》
2 新民謡《安里屋ユンタ》の誕生
3 いろいろな《安里屋ユンタ》
4 《安里屋ユンタ》を素材とした歌謡曲
5 歌詞形式の分析
6 演唱形式の分析
7 《安里屋ユンタ》の普及プロセス
第4章 三隅治雄による『沖縄音楽総攬』制作――現地録音
1 『沖縄音楽総攬』の制作と現地録音
2 LP集『沖縄音楽総攬』概観
3 三隅治雄と沖縄芸能研究・舞踊公演
4 『沖縄音楽総攬』とその成果
第5章 竹中労によるライブ盤制作――ライブ録音
1 竹中労による〈外向き〉発信
2 竹中労の沖縄訪問とLPレコード制作
3 竹中労の制作した沖縄音楽LPレコード概観
4 〈媒介者〉としての竹中労
5 音響・映像によるルポルタージュ
第6章 歌い継がれる《島唄》――カバー録音
1 THE BOOM《島唄》とカバー現象
2 国境を越えて波及する《島唄》
3 カバー曲としての《島唄》
4 《島唄》カバーの成果と歴史的意義
参考文献
あとがき
初出一覧
索引
<著者について>
《著者紹介》*本情報は刊行時のものです
高橋美樹(たかはし・みき)
1967年生まれ。
2005年沖縄県立芸術大学大学院後期博士課程芸術文化学研究科修了。博士(芸術学)。
現在 高知大学人文社会科学系教育学部門教授。
専門 民族音楽学,ポピュラー音楽研究。
主著『沖縄ポピュラー音楽史──知名定男の史的研究・楽曲分析を通して』ひつじ書房,2010年。
『JASPM ワーキングペーパーシリーズNO.9 民族音楽の再創造』(共著)2007年。
『民謡からみた世界音楽──うたの地脈を探る』(共著)ミネルヴァ書房,2012年。
『越境と連動の日系移民教育史──複数文化体験の視座』(共著)ミネルヴァ書房,2016年。
「沖縄音楽が聴ける!──琉球古典音楽から民謡,歌劇まで」国立国会図書館WEB サイト歴史的音源(https : //rekion.dl.ndl.go.jp/ja/ongen_shoukai_20)。