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ジョン・レノン&オノ・ヨーコ「Happy Xmas (War Is Over)」にインスパイアされた短編アニメ 米アカデミー賞・短編アニメーション賞受賞

2024/03/11 11:09掲載
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WAR IS OVER! Inspired by the Music of John & Yoko
WAR IS OVER! Inspired by the Music of John & Yoko
第96回アカデミー賞の授賞式が米ロサンゼルスで行われ、ジョン・レノン(John Lennon)オノ・ヨーコ(Yoko Ono)「Happy Xmas (War Is Over)」にインスパイアされた短編アニメーション映画『WAR IS OVER! Inspired by the Music of John & Yoko』が短編アニメーション賞を受賞しました。ジョンの息子で、オノ・ヨーコと共にエグゼクティブ・プロデューサーを務めたショーン・レノン(Sean Ono Lennon)は、監督のデイヴ・マリンズと製作者のブラッド・ブッカーとともに登壇し、受賞スピーチを行っています。

監督のデイヴはスピーチで「ジョン・レノンとオノ・ヨーコは私たちにインスピレーションを与えてくれた曲を書いてくれました。それは反戦のメッセージであり、私たちはこの映画でそれに敬意を表そうとしました」 と述べています。彼はショーンについて「私たちのエグゼクティブ・プロデューサーであり、クリエイティブ・パートナーである彼に感謝したい」と付け加えています。

ショーンはこの時間を使って、母親にエールを送っています。「僕の母は今年の2月に91歳になったんだけど、今日はイギリスでは母の日なんだ。だからみんな、“母の日おめでとう、ヨーコ!”って言ってくれるかな?」。

以下、授賞式の映像。



この11分の短編は、実際の歴史とは異なる歴史の第一次世界大戦が舞台となっており、敵対する2人の兵士が、勇敢な伝書鳩を介してチェスゲームに興じています。戦闘がエスカレートするにつれ、ゲームもエスカレート。白熱した戦いの中でのサバイバル、仲間意識、美の物語は深い感動を与えてくれるものだという。本作は今年のアカデミー賞ノミネートを争う短編アニメのひとつで、アニー賞にもノミネートされたばかり。

監督は元ピクサーのアニメーター、デイヴ・マリンズ。ジョンの息子ショーン・レノン(Sean Ono Lennon)がオノ・ヨーコと共にエグゼクティブ・プロデューサーを務め、ピーター・ジャクソンが制作に協力しています。

ストーリーはショーンとデイヴによるもので、ジョン・レノン&オノ・ヨーコ「Happy Xmas (War Is Over)」は映画のエンド・クレジットに流れます。劇中の音楽は『ファインディング・ニモ』『『ウォーリー』『007 スカイフォール』などで知られる作曲家のトーマス・ニューマンが手がけています。

ハリウッド・リポーター誌によると、ショーンは近年、「Happy Xmas (War Is Over)」のメッセージを再び紹介するために新しいミュージックビデオを制作することを模索していたという。しかし、どのミュージックビデオのアイデアもこの曲を矮小化しているように思えて行き詰まりを感じていたという

ショーンがこの問題に頭を悩ませていたとき、友人からデイヴを紹介されました。デイヴはピクサーの2017年アカデミー賞ノミネート短編映画『LOU』の監督を務め、『ファインディング・ニモ』や『カールじいさんの空飛ぶ家』などの長編アニメーションを手がけ、2020年にはLAを拠点とするエレクトロリーグという新しいアニメーション・スタジオのチーフ・クリエイティブ・オフィサーとしての仕事を始めていました。

ショーンとデイヴの2人は歴史的な戦争の話になり、第一次世界大戦中のイギリス軍とドイツ軍のクリスマス休戦について話しました。

それから2年後、ピーター・ジャクソンの偶然の参加を得て、デイヴは、英雄的な伝書鳩の助けを借りて敵陣との間で行われるチェスゲームを題材にした11分間の野心的なアニメーション映画の脚本と監督を手がけました。それがこの作品でした。

ビートルズのドキュメンタリー『ザ・ビートルズ:Get Back』を監督し、ビートルズ最後の新曲「Now and Then」のミュージックビデオを制作したピーターは「ショーンと私は友人で、彼は当初、脚本についてアドバイスを求めていました」と振り返り、この映画には彼の視覚効果会社WetaFXが協力しています。

この映画のタイムリーさは否定できません、ショーンにとっては動揺でもあります。ショーンはこう話しています。

「僕にとっては、両親の平和と愛というメッセージが今日に至るまで有効であることがとても悲しい。今日、この平和のメッセージに対して非常に敏感になっている人たちがいる。人々の痛みを否定しているように感じる。僕は誰かを批判しているわけではない。とても素朴に聞こえるかもしれないけれど、コンセプトとして平和的に問題を解決することを本当に信じていると言っているんだよ。それは僕が信じて育てられたことだし、今でも信じている」

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