イエス(Yes)の
スティーヴ・ハウ(Steve Howe)は、
ピンク・フロイド(Pink Floyd)と一緒にステージで演奏することになっていたコンサートについて、マーク・ベックマンが行ったインタビューの中で振り返っています。
イエス以前に在籍していたバンド、
トゥモロウ(Tomorrow)時代の話です。
「ピンク・フロイドと一緒に演奏すると思った夜があった。かなり興奮したよ。でも会場に着いたら、シド(バレット)がギリギリになって現れたんだ。僕は彼らと一緒にステージに上がるところだった。もちろん、それ(シドが間に合っこと)は良いことだったけど、でも、ある意味、僕はその機会が欲しかった」
フロイドと何を演奏していたと思うかと尋ねられたハウは、こう話しています。
「自分が何を演奏するのか、何も知らなかった。でも、当時はそんなことはどうでもよかった。彼らが何を演奏しようとも、僕はそれに合わればよかったから。
トゥモロウから僕を連れ出して、そこに立たせるというのは突飛な考えだったけど、それは、フロイドとトゥモロウの2つのバンドをマネージメントしていたスティーヴ・オルークという素敵な男がいたからなんだ」
ハウは当時、シド・バレットのことは知らなかったという。
「僕はシドのことは知らなかった。LSDの犠牲となった他のギタリストと同じ程度しか知らなかった。でも、その人たちがどんな人たちなのかを判断するのは僕じゃない。ピンク・フロイドが彼について何と言っていたかは知っているし、もちろん彼らは彼を心から愛していた。才能があっただけに、ちょっとでも道を踏み外さなければよかったのだが......。ファースト・アルバムにはその才能が溢れていた。素晴らしい。でも、自分では抑えられなかった。シドは自分自身を抑制しなかったんだ」