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エリック・クラプトンが友人ジョージ・ハリスンと結婚していたパティ・ボイドを誘惑するために書いたラヴレターがオークションへ

2024/02/27 10:13掲載
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Pattie Boyd and Eric Clapton in 1975. Photograph: Michael Putland/Getty Images
Pattie Boyd and Eric Clapton in 1975. Photograph: Michael Putland/Getty Images
エリック・クラプトン(Eric Clapton)が、友人ジョージ・ハリスン(George Harrison)と結婚していたパティ・ボイド(Pattie Boyd)を誘惑するために書いたラヴレターがオークションに出品されることになり、三角関係の詳細が明らかにされています。「お聞きしたいのは、まだご主人を愛しているのか、それとも他に恋人がいるのか、ということです」。

ハリスンの「Something」や、クラプトンの「Layla」「Wonderful Tonight」にインスピレーションを与えたことでも知られているパティ・ボイドは、公開されたラヴレターを含む手紙、写真、宝石、絵画など、彼女の私物の一部をオークションに出品します。オークションは3月8日から21日までオークションハウスのクリスティーズで行われます。

ボイドはモデルであり、1960年代のスウィンギング・ロンドンの象徴でした。ビートルズの映画『A Hard Day's Night』の撮影現場でハリスンと出会い、1966年にハリソンと結婚しました。1960年代の終盤、クラプトンとハリスンは親しい友人となり、作曲やレコーディングを共に行うようになりましたが、この頃、クラプトンはボイドに夢中になりました。

クラプトンからボイドへと送ったラヴレターは1970年10月に書かれたもので、速達で送られたという。クラプトンはボイドにこう懇願しています。

「親愛なるLへ......(※クラプトンはボイドを“レイラ”と呼んでいた)

お聞きしたいのは、まだご主人を愛しているのか、それとも他に恋人がいるのか、ということです。これらの質問はすべて、とても不謹慎なものだとわかっていますが、もしあなたの心にまだ私への気持ちがあるのなら......私に知らせてください!実際のあなたの気持ちが何であれ、私に知らせてください...」

友人の妻を誘惑しようとすることが一般的にマナー違反とされていることを明らかに承知しているクラプトンは、ボイドに手紙で返信するようアドバイスしており、「電話をしないで!」と促しています。

ボイドは当初、この手紙を熱狂的なファンが書いたものだと信じていたようです。オークション会社のクリスティーズの取材に対し、「エリックからの手紙だとは思いもしませんでした。変なファンからの手紙だと思ったの。ジョージにも見せたのよ!」と語っています。ボイドが手紙を書いた人物の正体に気づいたのは、その日の夜、クラプトンから電話がかかってきて、彼から何か手紙が届いていないかと尋ねたときだったという。「なんてこと、あなたからの手紙だなんて気がつかなかったわ!」と彼女は振り返っています。

この手紙はオークションで10,000~15,000ポンド(約190万円~約290万円)の値がつくと予想されています。


A love letter from Eric Clapton in 1970. Photograph: CHRISTIE’S IMAGES LTD. 2024

クラプトンは数カ月後、『二十日鼠と人間』から破いたタイトルページに別の手紙を書きました。

「過去の快楽のためなら、僕は家族も、神も、そして自分自身の存在も犠牲にするだろう......僕は心の果てにいる......僕は風に耳を傾け、暗く沈む雲を眺め、気配や仕草を求めて足元の大地を感じたが、あるのは沈黙だけだった。なぜためらうのか、僕が貧しい恋人なのか、醜いのか、弱すぎるのか、強すぎるのか、なぜだかわかるかい? あなたが僕を欲しければ、奪ってください。僕を必要としないなら、僕を縛る呪縛を解いてください。野生の動物を檻に入れることは罪であり、手なずけることは神である。僕の愛はあなたのものです」

この手紙もオークションで10,000~15,000ポンド(約190万円~約290万円)の値がつくと予想されています。

クラプトンはボイドを“レイラ”と呼び、その年に同名のロックの名曲を書きました。「Layla」を聴いたボイドは「その美しさに心を奪われましたが、同時に罪悪感も感じました」と振り返っています。

今回のオークション「パティ・ボイド・コレクション」には、「Layla」も収録されたデレク・アンド・ザ・ドミノス『Layla and Other Assorted Love Songs』のアルバム・カヴァーに使われた、エミール・セオドア・フランセン・ド・ショーンバーグによる原画「La Fille au Bouquet(花束を持つ少女)」(落札予想価格60,000ポンド/約1150万円)のほか、クラプトンとボイドの交際中や結婚中に交わされたはがきやその他の手紙もあります。

ボイドはテレグラフ紙に、クラプトンはさまざまなアイテムを売ることを承認してくれたと語っています。

「すべてを販売して、他の人に楽しんでもらえばいいのではないかと思いました。...エリックからの手紙は、とても切実で情熱的で、一生に一度しか咲かない情熱だと思います。今でもあの手紙を読むと、とても悲しくなります。私はそれらを小さなトランクに入れていて、ときどき目にして読み始めると、胸が張り裂けそうになります。あまりに痛々しくて、その美しさに」