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ブライアン・ウィルソンの幻のカントリー・アルバムがついに日の目を見ることに 2025年リリース予定

2024/02/14 10:14掲載
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Brian Wilson, photo by Michael Ochs Archives/Getty Images
Brian Wilson, photo by Michael Ochs Archives/Getty Images
ブライアン・ウィルソン(Brian Wilson)が1970年に制作したものの未完成に終わった幻のカントリー・アルバムが50年以上の年月を経て、ついに日の目を見ることになるという。米ローリング・ストーン誌によると、この『Cows in the Pasture』というタイトルのアルバムはドキュメンタリー・シリーズと共に2025年にリリースを予定しています。

『Cows in the Pasture』は、ウィルソンが元ビーチ・ボーイズ(The Beach Boys)のマネージャー、フレッド・ヴェイルのヴォーカルをフィーチャーして1970年に制作したカントリー・アルバム。

伝えられるところによると、このアルバムはウィルソンが企画。ヴェイルはプロのシンガーではありませんでしたが、一緒に車に乗っていたときにカントリー・ラジオでよく歌っていたので、ヴェイルに協力を求めました。

ヴェイルは、ロイ・オービソンの「Only the Lonely」、ハンク・ウィリアムズの「You Win Again」、バート・バカラックの「(There's) Always Something There to Remind Me」などを選曲し、2人は、ビーチ・ボーイズの『Sunflower』と並行してアルバム制作に取り組みました。

ギタリストのジェームズ・バートン、ピアニストのグレン・D・ハーディン、スティール・ギタリストのレッド・ローズといったスタジオ・ミュージシャンと一緒に14曲の骨組みをレコーディングしますが、その後、ヴェイルがヴォーカルを録音する前に、ウィルソンはこのプロジェクトに興味を失ったため、アルバムは完成することなくバンドの保管庫に眠っていました。

ヴェイルは同誌のインタビューの中で「ちゃんとしたヴォーカルは一度もやらなかった。ほとんどが試しのヴォーカルで、完成することはなかった。バック・ヴォーカルもハーモニーもなかった。インストゥルメンタルばかりだった。ブライアンが興味を失ったとき、僕はただ前に進んだ。見て見ぬふりをするような感じだった」と回想しています。

またヴェイルは、ウィルソンが当時「多くの(個人的な)問題を抱えていた」ことも原因だと話しています。

同誌によると、アルバムの録音テープは10年ほど前にヴェイルが所有するようになり、その後、ヴェイルがビーチ・ボーイズのファンでナッシュヴィルを拠点とするプロデューサーであるサム・パーカーと知り合い、このアルバムのことを知ったパーカーが完成させることを提案。ヴェイルはこの提案があるまで、それを使って何かをするつもりはなかったという。

今年後半に“カントリー・ミュージックのレジェンドや、ロックンロールのレジェンド、コンテンポラリー・カントリー、ポップ・スター”を中心としたオールスター・ゲストの協力を得て、『Cows in the Pasture』を完成させる予定だという。今のところ、ヴェイルはゲストについては公にはしていませんが、Tボーン・バーネット(T-Bone Burnett)が参加していることをほのめかしています。

ウィルソンはエグゼクティブ・プロデューサーとして参加し、1曲にヴォーカルで参加する予定です。

ウィルソンは同誌に「フレッドは昔からカントリー・ミュージックが大好きで、ロデオの大ファンだった。彼はとんでもない男で、とんでもないプロモーターで、彼のアルバムが発売されるのは嬉しい」と語っています。

ヴェイルは、アルバムと同時期に、アルバム制作の舞台裏を描く4部構成のドキュメンタリーをリリースすることも目指しています。