Billy Joel / Turn the Lights Back On
ビリー・ジョエル(Billy Joel)はポッドキャスト『Audacy Check In』に出演し、17年ぶりの新曲「Turn the Lights Back On」の制作について、共作者/プロデューサーのフレディ・ウェクスラーと共に語っています。
ウェクスラーはセリーヌ・ディオンやアリアナ・グランデへの楽曲提供で知られるグラミー受賞ソングライター/プロデューサー。過去にジャスティン・ビーバー、ジョナス・ブラザーズ、ワイクレフ・ジーン、P!nkなど多くのアーティストと共演しています。
ジョエルとウェクスラーの出会いは2年前でした。ジョエルはこう話しています。
「フレディはね、この一連の流れを作ってくれた人なんだ。
(2年前の出会いは)まったくのセレンディピティ(※思いもよらなかった偶然がもたらす幸運)だった。かかりつけ医から電話がかかってきて“あなたに会いたがっている人がいる”と言ったんだよ。それで僕は“いいよ”と答えたんだ。
あまり期待していなかった。
音楽の話をするようになって、意気投合したんだ。すごく行き当たりばったり(な会話)だったけど、話せば話すほど、相手の話していることに興味が湧いてきたし、彼は僕の言っていることを理解していた。
他の人たちは、僕にまた戻って新しい曲を作ったり、レコーディングをしたりするように説得してきたけど、僕はいつもそれに抵抗してきた。曲作りが苦痛になったきたので、それを避けていたんだ。
僕には高いハードルがある。そのハードルに届かないと、自分を殴って自分を殴って自分が嫌いになってしまう。だから、そういう気持ちになるのが嫌になってやめたんだよ」
ジョエルが再び心を開くようになったのは、「自分ひとりでやっていると、それがどれほど孤独なことか」を二人の間で共有できたからだという。ジョエルはこう続けます。
「彼は、曲作りのプロセス全体がどんなものかを理解してくれた......彼は、そもそも僕がなぜ音楽を始めたのか、その理由の全体のポイントを理解してくれたんだ......。楽しかった。音楽は楽しいものだし、ロックンロールも楽しかった。楽しむことがすべてだったのに、僕はそれを失って、もう楽しくなかったから明かりを消してしまったんだ」
一方、ウェクスラーはこう話しています。
「ビリーと出会ったとき、僕はいいところにいたにもかかわらず、自分のキャリアに疑問を抱いていたんだ。
僕は大ヒット曲や、たくさん曲を持っていたけど、“これでいいのかわからない、人生で何か他のことをするべきなのかもしれない”と思っていた。
ビリー・ジョエルのおかげでソングライターになれたので、僕にとってはかなり特別なことだった。
ビリーのハードルはベートーヴェンかもしれないけど、僕のハードルはビリー・ジョエル。どちらも手の届かないハードルだよ。彼はベートーヴェンのレベルに達していないと感じて常に動揺しているだろうし、僕は自分が書いた曲の1000曲に1曲、もしかしたらビリー・ジョエルと同じくらい良いと聴こえるのは2行くらいだと感じて常に動揺しているんだ」
ジョエルは、ある重要な洞察が二人の間にある境界線を越えさせたと思っています。
「彼は僕に重要な質問をした。フレディは“ちょっと聞きたいんだけど....自分が歌っているものを、他の誰かが歌っていることを考えたことはありますか?”と言った。僕は“いつも”と答えたよ。僕はいつも、自分が書いたものを他の誰かが歌うことを考えているんだ。今までやったレコーディングは全部、“他の誰かが歌っているのかな”と考えていた。自分の枠にとらわれない。自分が誰であるかとか、自分がどう思うかとか、鏡に映った自分にとらわれない。誰でもいいんだ」
しかし、ウェクスラーは「ビリー・ジョエルはそんなことはしない。彼は自分が誰なのかよくわかっている」という印象を受けていたという。
ジョエルは「いいえ」と謙虚に言い、「それが親しい関係(のはじまり)だった。“この男は分かっている”と思ったんだよ」と付け加えています。
■「Turn the Lights Back On」のリリックビデオ