ジェフ・ベック(Jeff Beck)との共演でも知られるベーシストの
タル・ウィルケンフェルド(Tal Wilkenfeld)は学生時代、学業に専念する環境で育ったため、練習時間はとても制限されていたという。限られた演奏時間で上達するために思いついた方法を、レックス・フリードマンとの最近のインタビューで語っています。また、若い音楽家へのアドバイスを話しています。
高校時代にギターを本格的に始め、その後すぐにベースに転向したウィルケンフェルドは、こう話しています。
「ギターが大好きになって、とにかくギターに集中したかった。だけど、私の限界は1日30分だったので…週に何回だったかも覚えていない。毎日だったかもしれないし、週に5日だったかもしれない」
ウィルケンフェルドは自分に課せられ制限を克服するために、ある方法を思いつきました。
「頭の中で指板をイメージするやり方を学んだのよ。一日中、頭の中で練習していた。
(実際の)指板でも練習をよくやっていた。私はすべてのミュージシャンにそれを勧めています。ここ(実際の指板)で練習しているだけでは、どちらが問題なのか、必ずしもわからないから。
(頭の中の) 問題なのか、それとも運動能力の問題なのか。それ(運動能力)を取り除いて (頭の中で) やってみれば、自分にはそれができることがわかる。そういうことを思いついて、そのやり方を学べてよかったわ」
若い音楽家へのアドバイスを頼まれ、ウィルケンフェルドはこう答えています。
「何よりもまず、自分がなぜ音楽をやっているのかを理解することだと思う。何か表現したいものがあるからとか、表現そのものやアートそのものが好きだからとか。それがこの旅を始める大きな理由なのよ。
つまらないと感じるライフスタイルなら“なぜ”は本当に重要だと思う。その中に多くのことが詰まっているから。もしあなたが自分の目的を持っていないなら、もしあなたが自分の目的の中心にいないなら、そのつまらないライフスタイルはおそらくあなたを苦しめるでしょう。
人間は誰でも、ある程度の確信と目的を必要とするもので、その確信は、自分が何をしたいのか、この表現でそれをやる目的は何かを自分の内面から知っていることを理解することができる。そうでなければ、ただ風に吹かれている葉っぱのようなものね」