Nuno Bettencourt (Image credit: Neil Lupin/Redferns via Getty Images)
有名曲からギター・パートだけを抜き出したアイソレーテッド(分離)トラックはYouTubeに数多く投稿されていますが、
エクストリーム(Extreme)の
ヌーノ・ベッテンコート(Nuno Bettencourt)はラジオ局Q1043 New Yorkの新しいインタビューの中で、その問題点を挙げています。
「エドワード(エディ・ヴァン・ヘイレン)の曲を単独で聴けるようになったとき....例えば“Beat It”のソロの時、“うわー、ついにBeat Itのソロを単独で聴けるんだ”となったけど、聴いてみると“あらら”って感じだった。思っていた通りだったんだけど、あまりに露骨で、ギターだけだったから、魔法のような感じがしなかったんだ。(リフが)聴こえないからね。すべてがあるから魔法のようだと思わせるんだよ。
分離トラックというのは、誰かの下着の引き出しを探るようなものだということを、みんな気づいていない。それはプライベートなことだから、するべきではないんだ。なぜかって? リズム・セクションに合わせて演奏したからだよ。
リズム・セクションは精神の深みにとってとても重要だ。ギタリストはそれを見直す必要がある。自分ひとりで演奏しているときは、ただひとりの力でしかない。でも、化学反応、曲、アレンジ、ハーモニーを持ったバンドを得たときに、ソロをすることで、自分をここからあそこまで連れていってくれるんだ。ギタリストとしての自分を高めてくれるんだよ。
僕が偉大なギタリストだと思うのは、ジミー・ペイジ、ブライアン・メイ、(ジミ)ヘンドリックス、エディ・ヴァン・ヘイレン。彼らは自分を象徴的な存在にまで高めてくれるバンドにいる。それを引き離してしまうと“うーん”という感じになる。みんなで建てた家のようなものなんだ。ドラムが土台で、ベースが壁の骨組みで、そこにギタリストが入ってきて、壁にいろんなものを貼っていく。そう、ギタリストが内装を作るんだ。シンガーは家の屋根と色のようなものだね。その土台や骨組みを取り去ったら、ギター・ソロはどうなると思う? さようなら、だね。ヴォーカルは? さようなら。すべてが崩壊する。バンドの化学反応を知ってもらうことは本当に重要だ。(ジョン)ボーナム、ニール・パート、スチュワート・コープランド。そのピースを取り除くだって、幸運を祈るよ」