Tal Wilkenfeld Bass Solo with Jeff Beck
ジェフ・ベック(Jeff Beck)との共演でも知られるベーシストの
タル・ウィルケンフェルド(Tal Wilkenfeld)。ジェフのオーディションがどのようなものであったか、またジェフとの共演がどのようなものであったかをレックス・フリードマンとの最近のインタビューで語っています。
「ジェフのオーディションを受けに行ったのが、すべての始まりだった。
(オーディションの日)ちょっと変わった経験したのよ。飛行機の中で食中毒になって、飛行機が着陸すると、そのまま救急車で運ばれて、病院に一晩入院した。
マネージャーが迎えに来てくれて、風の強い田舎道を3時間かけてジェフの家に行ったら、彼はドアを開けると“さて、プレイの準備はいいか?”と言いました。
それから2階に上がって、セットを並べ始めた。そして“Cause We've Ended as Lovers”になったとき、彼はただ“ソロ”と言った。彼はそれを気に入り、ソロが残った。私が彼のバンドで演奏するまでベース・ソロはありませんでした。そのすべてが新鮮でした」
2007年の<クロスロード・ギター・フェスティバル>のステージで「Cause We Ended as Lovers」のベース・ソロを弾いた時のことも振り返っています。「怖かったか、緊張していたか」という質問にこう答えています。
「緊張はしなかった。ステージの前にアドレナリンが出るのは自然なことだと思うけど、ステージに恐怖を持ち込むと、自分自身のパフォーマンスを制限してしまうことになる。他のみんなから壁を作って自分を閉ざしてしまうことになるのよ。
それに、もし恐れているなら、何を恐れる必要があるの?
ミスを恐れて、完璧主義者として音楽に取り組んでいるのだろうか、そのようなやり方では音楽と向き合うことはできないし、それでは包括的であり、傷つきやすくもあり、真実味のある音楽にはならない。私は違う。だから刺激的で、情熱的で、最高の時間を過ごしてきた。
彼が私にこのソロを与えてくれたという事実、このパフォーマンスの背景には、ギター・フェスティバルだったということがある。エリック・クラプトンのフェスティヴァルで、400人ものギタリストが一晩中ソロを弾きまくる、世界最大級のギター・フェスティヴァルのひとつなのよ。
夜も終わりに近づいた頃、ジェフが“僕の最も有名な曲の1つ、Cause We've Ended as Loversのソロをやらないよ”というスリルを楽しんでいることが分かった。
スティーヴィー・ワンダーが書いた曲だけど、みんなジェフのことをあの曲とソロで知っている。“ベーシストに譲る”という感じで、彼はそうした」
(ソロの後、ジェフはお辞儀のポーズをする)
彼がお辞儀をしているけど、そんなことをする必要はなかった。それは彼がいかに寛大なミュージシャンであるかを示しているし、それは彼のプレイを見れば一目瞭然。彼は寛大で、愛情深く、オープンなミュージシャンなのです。
彼は自分のためにそこにいるのではない。音楽のためにそこにいるのよ」
■2007年<クロスロード・ギター・フェスティバル>でのペース・ソロ
■インタビュー