KISS / Creatures of the Night
キッス(KISS) の『Creatures of the Night』のタイトル曲でギターソロを弾いているのは、後に
Mr.ミスター(Mr. Mister) に参加するギタリストのスティーヴ・ファリスでした。当時キッスはファリスを加入させることも検討しましたが、それは実現しませんでした。ファリスは米Guitar Worldの最近のインタビューの中で、アルバムに参加することになった経緯、キッス加入が実現しなかったことについて話しています。
「ソロはワンテイクで弾けたよ。ポールとジーンは“Creatures of the Night”のソロを気に入って、大はしゃぎしていた」
ポール・スタンレーとジーン・シモンズはファリスのソロを気に入り、彼をキッスの一員にするつもりでした。しかし、そうはなりませんでした。
「金曜日にやったんだけど、彼らは“月曜日に集まって、もっと話をしよう”と言った。それで“俺はキッスの一員になれたかもしれない!”と思ったんだ。
でも、そこでまた演奏した時、彼らは“歌えるか?”と聞いてきた。僕は歌えない。エース・フレーリーの代わりを務めるなら、歌える人が必要だと彼らは思ったんだよ。でも、2回目のオーディションでキッスと一緒に“Honky Tonk Women”を演奏したことは、今でも忘れられない思い出だよ」
ファリスは、キッスの『Creatures of the Night』のレコーディングに自分が参加することになった経緯について、こう話しています。
「僕は(当時スタジオ)セッションの仕事に加えて、トップ40のカヴァー・バンドに入っていて、ミシガン、サウスダコタ、中西部で演奏していた。週に5、6晩やって、最終的にはロサンゼルスに行った。そこにすべての仕事があったからね。
マンボ・ジェッツというバンドで演奏していたとき、友人が“キッスがエース・フレーリーが脱退したからオーディションをやる”と言っていた。僕は“毎晩冷たいキャンベル・スープを食べている。やってみる価値はあるよな”と思ったんだ。お金もなかったしね。僕の中にも“なんでキッスのオーディションを受けようとするんだ?”と思う部分もあったけど、でも、電話番号を聞いてオーディション・テープを作り、オフィスで退屈そうな女の子に渡したんだよ。
2週間後、電話がかかってきて、“キッスのポール・スタンレーだ。ジーンと俺は君のテープが気に入った。レコード・プラントに来れないか?と言われて、ちょっと考えてから“はい”と答えた。
真夜中にそこに着いて、スタジオDに入ると、長い黒髪のポールとジーンの2人がいた。ノーメイクのふたりを見たのは初めてだったけど、彼らだと思った。
僕は歩み寄って、“やあ、よろしく”と言った。彼らから“ああ、まだ他の男と一緒なんだ。廊下で待っててくれる?”と言われたのでそうしたんだ」
Q:タイトル曲ではソロを弾いていますね。どうでしたか?
「僕はあまり多くを語らず、ただ中に入って演奏に集中した。その前に、すでに彼らと一緒にやっていたギタリスト、ボブ・キューリックを紹介された。ちょっと会ったけど、いい人だったよ。
彼は去って、僕は大きなマーシャル・アンプとケーブルが置いてある部屋に入った。僕はフェンダーのストラトを持っていた。彼らが演奏していた“Creatures of the Night”という曲のブリッジ(※Aメロとサビを繋ぐ部分。Bメロ)を弾いてほしいと言われた。
僕はそこに立ち、思いついた最初のソロを弾きまくった。録音が終わってテープを止めると、ポールが僕のところに来て、“お前...ハイヒール履くか?”と言ったので、僕は“やってみるよ”と言った。そのテイクがアルバムに収録されているんだ。2テイク目はないよ。隅から隅まで、よく出来たソロだった。歌えないから参加はしなかったけど、それでも楽しかったよ」
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