PitchforkをGQに統合 親会社のコンデナスト発表 複数のスタッフを解雇
2024/01/18 10:54掲載
Pitchfork
2015年に米国の音楽メディア『Pitchfork』を買収したコンデナスト・パブリケーションズは、『Pitchfork』を同社が所有する別のブランド『GQ』の下に統合することを明らかにしています。
コンデナストのチーフ・コンテンツ・オフィサーであり、『ヴォーグ』のグローバル・エディトリアル・ディレクターであるアナ・ウィンターは1月17日、同社スタッフへの手紙でこの変更を発表しています。
Pitchforkはインディーズ・ミュージック・ファンのライアン・シュライバーによって1996年に設立されました。その後、世界で最も影響力のある音楽メディアのひとつにまで成長。2015年、コンデナスト・パブリケーションズが買収。シュライバーは2019年1月に会社を完全に去っています。
17日に同社スタッフに送られた手紙は、Semaforのメディアレポーターであるマックス・タニが共有しました。そこにはこう書かれていました。
「本日、私たちはPitchforkのチームをGQの傘下に入れることで、チーム体制を進化させます。この決断は、Pitchforkの業績を慎重に評価し、私たちの音楽報道が社内で継続的に繁栄できるよう、ブランドにとって最善の道であると私たちが考えた結果です。
PitchforkとGQの両社は、音楽ジャーナリズムに対する独特で価値あるアプローチ方法を持っています。私たちは、共に歩む新たな可能性に胸を躍らせています。このような組織変更に伴い、Pitchforkの仲間の何人かが今日、会社を去ることになりました。この5年間、Pitchforkを率いてくれたプジャに感謝します。彼女は素晴らしい同僚であり、ブランドの擁護者でした。彼女とチームの多くの貢献に感謝しています。
Pitchforkチームのメンバーは、今週のミーティングで報告体制について詳しく聞くことになるでしょう。社内のチーム構成と運営に集中するため、現時点では追加の変更はありません。もちろん、移行に関する新たな決定がなされた際には、まずこのチームに最新情報をお伝えします」
プジャ・パテルは2018年10月にPitchfork EICとして創業者シュライバーの後を引き継ぎました。彼女に加えて、特集編集者のジル・メイプスほか複数のスタッフの解雇がソーシャルメディア上のメッセージで確認できます。
コンデナストの最高経営責任者ロジャー・リンチは昨年11月、全従業員の5%に相当する約270人をレイオフし、その他のコスト削減策を講じる予定であると述べていました。12月上旬、Pitchfork Unionは、その時点で解雇される組合員はいないと書いていました。
今回の件を受け、Pitchfork Unionはレイオフに関する声明を発表。「記者、編集者、プロデューサー、研究者、そしてPitchforkで受賞歴のある音楽ジャーナリズムを作っているすべての人たちは、使い捨ての部品のように扱われるよりも、もっと良い扱いを受ける資格がある」