Jason Barnard and Malcolm Bruce
クリーム(Cream)のベーシスト、
ジャック・ブルース(Jack Bruce)の息子であるマルコム・ブルースは、ソングライター/シンガーソングライター/マルチインストゥルメンタリストであり、これまでにクリームのトリビュート・バンド&アルバム制作を行っています。新たにBass Player誌のインタビューの中で、クリームや父親の偉大さについて語っています。
Q:クリームの曲の中で最も演奏が難しいのは?
「難しい曲はないと思う。オリジナル・バンドが演奏した曲を忠実に再現することが目的なのか、それとも曲のエッセンスを取り入れてそこから何かを生み出すことが目的なのかによるね。ヴォーカル・パートのいくつかは難しいよ」
Q:好きなクリームのアルバムはありますか?
「『Fresh Cream』と『Disraeli Gears』のどちらかを選ぶのは難しい。『Fresh Cream』にはフレッシュさ、無邪気さがある。一方、『Disraeli Gears』はより自信に満ち、一貫して完成度の高いアルバムだ。おそらく、アトランティック・スタジオでフェリックス・パパラルディがプロデュースしていた影響か、バンドがその時点までに多くの経験を積んでいたことがある程度影響しているのだろう」
Q:お気に入りの曲は?
「素晴らしい曲はたくさんあるよ! “N.S.U.”は演奏していて楽しいし、素晴らしいエネルギーと珍しいハーモニー進行を持っている。“We're Going Wrong”の開放感が大好きで、即興で伸び伸びと演奏するには完璧な曲だ。“As You Said”はスコットランド民謡の影響があり、作曲の多様性という点で、父がどこに向かっていたかを指し示している」
Q:クリームの最も過小評価されている、あるいは見過ごされている曲は?
「先述のいずれか。多くは“Sunshine of Your Love”のような有名な曲と同じ文脈で語られることはない。あと“Dance the Night Away”や“Take It Back”も思い浮かぶ」
Q:お父さんのテクニックのどこを一番尊敬していますか?
「歌声と、ベースを弾きながら同時に歌う能力。父は音楽的にやることすべてに自分の個性を持っていた」
Q:お父さんの演奏やクリームの音楽の中で、あなたが本質的だと感じているが、普通の人は気づかないようなニュアンスがありますか?
「ひとつの側面として理解すべきなのは、音楽に現れる影響の幅広さ。ブルース、ロック、ジャズ、ポップ、サイケデリア、フォーク、クラシックの要素がある。そして、音楽のニュアンス、ダイナミクスの選択、音符やフレーズをどこにどのように配置するか、引き締める時と緩める時。あのレベルの3人のミュージシャンが一緒に作ることができるサウンドは、音のスペクトルにおけるそのダイナミクスの平等さなんだ」
Q:お父さんが残した機材はありますか?
「父のベース機材は使っていないよ」
Q:クリームの曲を演奏するために、何か調整をする必要がありましたか?
「クリームの曲を演奏するのは簡単だと思うけど、スタイル的には僕自身の音楽とはかなり違う。クリームの曲は、僕たちみんなが共有しているポピュラー音楽の伝統の一部だと思うので、ほとんど直感的に理解するのが自然な感じがするよ」
Q:お父さんのレガシーをどのように見ていますか?
「父のレガシーは、音楽界の中で最も興味深い時期のひとつを駆け抜けたことであり、多くの偉大なアーティストがそうであるように、彼もキャリアを通じて大きな進化を遂げた。彼は関わったすべてのことにおいて、自分の創造的な声を維持し、独自かつ大幅に境界を越えた。
クリームでの短い在籍期間以外にも、多くの重要なプロジェクトやコラボレーションをやった。最終的に、父は、自分が作った曲が大成功を収めたことで知られるようになったことを受け入れ、その功績を誇りに思っていた。しかし、父の仕事を知る者にとっては、まだまだ探求すべきことがたくさんあるよ」
Q:彼がいなかったらロックはどうなっていただろう?
「それは簡単には明示できないかもしれない。クリームを唯一無二の存在にした特質は、まだ完全に解明されていない。ベースを音楽の中で対等な役割を果たす楽器として演奏するという父のアプローチは、ベーシストの役割に対する新しい見方を発展させるのに貢献したのは確かだ」