HOME > ニュース >

高橋幸宏が40年以上前に書いた未発表曲を盟友スティーヴ・ジャンセンが完成させて公開

2024/01/11 14:39掲載(Last Update:2024/01/11 15:21)
メールで知らせる   このエントリーをはてなブックマークに追加  
Steve Jansen & Yukihiro Takahashi
Steve Jansen & Yukihiro Takahashi
1月11日は高橋幸宏の命日。彼が40年以上前に書いた未発表曲を盟友スティーヴ・ジャンセン(Steve Jansen)が完成させて公開しています。もともとは1982年に録音された未完成のインストゥルメンタル・デモ。それをビートルズ最後の新曲と同様の分離技術を用いて、さらに新たな録音を加えてヴォーカル楽曲として完成させています。タイトルは「Impossible Until It Happens」

以下、スティーヴ・ジャンセンの説明より

「最近、僕は40年以上前の82年に高橋バンドがテレビCM用にデモトラックを作った時のカセットテープを持っていると話した。このトラックは1日か2日だけ作業され、その後放棄された。その年はみんな忙しかったし、何らかの理由でこの録音は破棄されたんだと思う。

いつか懐かしむためにこの録音を共有しようとも話していたのだが、ミックスはごく基本的な終盤のプログレス・ミックスで、ヴォーカル・パートは考えられていなかった。このような形で共有することは、作品の可能性を正当に評価することにはならないだろうと思う。

このトラックは、高橋幸宏が録音したコードとシンセから始まった。僕はドラム・パートを加えた。高橋楽曲を集中的にリハーサルし、演奏したことで、“The Art of Parties”のようなトラックで見られるような僕自身のスタイルと、“Glass”のようなトラックでの幸宏のスタイルが明確にブレンドされた。ベースには細野晴臣が加わり、土屋昌巳がギター・パートを重ね、立花ハジメがサックス・ソロを加えた。

それから40年の時を経て....

2023年末、僕はデモをシンガーソングライターのマルコ・マシェラに送った。マルコは過去に何度か一緒に仕事をしたことがあり、彼のヴォーカル・スタイルは音楽を引き立ててくれると感じた。幸宏もマルコの曲を気に入り、自身のラジオ番組でも披露してくれた。マルコにヴォーカルと歌詞をお願いしたところ、快く引き受けてくれた。

オリジナルのカセット・レコーディングのステレオ・ミックスを、AIプログラムを使って個々のトラックに分離した(これは比較的新しい技術で、クオリティには苦労したが、新しいオーバーダブのミキシングやブレンドに少し柔軟性を持たせることができた)。演奏パートはそのままに、僕はいくつかの楽器を追加録音し、マルコのコーラス・ヴォーカルに合わせた。そのトラックを新たにミックスした。こうして完成したのがこの“Impossible Until It Happens”である。

マルコと僕は、昨年の今頃この世を去り、とても惜しまれている幸宏へのトリビュートとして、この曲を共有した。幸宏の作風のエッセンスを感じることができる曲になっているので、ぜひお楽しみください」

■「Impossible Until It Happens」

Music by Yukihiro Takahashi / Song & Lyrics by Marco Machera

Yukihiro Takahashi - Keyboards
Haruomi Hosono - Electric Bass
Steve Jansen - Drums & Percussion, Additional Sequencers & Synthesisers, Chorus Vocals
Masami Tsuchiya - Electric Guitar
Hajime Tachibana - Saxophone
Marco Machera - Lead Vocals, Samples, Additional Synthesiser

Steve Jansen · Impossible Until It Happens