英国では2023年、CDの総売上金額が20年ぶりに増加しました。デジタル・エンターテインメント小売協会 (ERA/Digital Entertainment and Retail Association)のデータによると、2%増で、これは価格の高騰や、より高価な限定アルバムが購入された結果ですが、音楽ファンの中にはアナログレコードよりも比較的安価なCDを選ぶ人もいることも影響しています。
CDの販売枚数は近年同様に減少しましたが、7%近くの減少で、2022年の20%減からは劇的に改善し、2015年以来最も低い減少率となりました。
CDは、アルバム1枚が約10ポンド(約1800円)以下で、同様のレコードの約半額で販売されており、流行に敏感な学生や中高年の音楽ファンが好むフォーマットとして、レコードと争っています。
ERAのチーフ・エグゼクティブであるキム・ベイリーは、今後、CDの販売枚数は安定、もしくは増加する見込みだと話しています。若者たちが自分の音楽コレクションを誇る方法として、このフォーマットのファンに新たに加わり、また需要が高まる中、より多くの独立系小売業者がCDを仕入れ始めていることも、その根拠だと説明しています。
英HMVのフィル・ハリデー社長は、HMVではしばらくの間、デラックス・エディションなどのコレクターズ・ヴァージョンの売れ行きが好調だったと述べています。「その需要は熱狂的なものでした。2023年は10代のお客さまがCDを買い求めていることにも驚きました。彼らの嗜好に応えるようになってきていると思います」
アナログレコードの売上も2023年は金額ベースで18%、数量ベースで12%近く増加しました。
ストリーミング、レコード、CD、ダウンロードを含む全音楽売上額は、2023年に9.6%増の22億ポンドに達しています。これは過去最高に近い数字で、22年前の記録にわずか0.08%届きませんでした