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ニューヨークの実験的アートと音楽シーンの中心メンバー フィル・ニブロック死去

2024/01/09 10:06掲載
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Phill Niblock - Photo by JJ Murphy
Phill Niblock - Photo by JJ Murphy
ミニマリズム、実験音楽、映画、写真など多岐に渡るジャンルで50年に渡り活動した、ニューヨークの実験的アートと音楽シーンの中心メンバーであったフィル・ニブロック(Phill Niblock)が死去。ニューヨーク拠点のアート雑誌ARTnewsが訃報を伝えています。90歳でした。

ミニマリズムのドローン音楽の先駆者としても知られるフィル・ニブロックは1933年インディアナ州生まれ。インディアナ大学で経済学の学位を取得後、1958年にニューヨークに移り、ジャズやモダンダンスのシーンを記録する映像作家、写真家として活動を始める。1968年、ハイウェイを走るトラックのエンジン音とニューヨークのアヴァンギャルド・クラシック・シーンのパフォーマンスが重なり合う音からインスピレーションを受け、作曲を始める。彼の作品は、催眠術のようなテクスチャーに溶け込むマイクロトーン・ドローンを中心に、多大な影響を与えた。

ニブロックは前衛音楽のための財団「Experimental Intermedia」のディレクターであり、同財団のレコード・レーベル、XIのキュレーターでもあった。Experimental Intermediaでは、映画制作の才能を発揮し、アーサー・ラッセルのような偉大な人物の作品を記録した。

またソニック・ユースのリー・ラナルドやサーストン・ムーア、ペトル・コティーク、ウルリヒ・クリーガーなど、多くの著名なコラボレーターとも仕事をした。