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クリス・スレイド AC/DCとの思い出を語る、オーディションは失敗したと思った/アクセル・ローズが代役で参加した時は驚いた

2024/01/05 17:12掲載
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Chris Slade (Image: Christine Ceasar)
Chris Slade (Image: Christine Ceasar)
AC/DCでの活躍でも知られるドラマーのクリス・スレイド(Chris Slade)。AC/DCのオーディションを受けた際、「うまくいったとは全然思えなくて、家に帰るまでずっと自分を責めていた。そのことで頭がいっぱいで道に迷ったよ」という。そのオーディションや、アクセル・ローズが代役ヴォーカルで参加した時など、AC/DCとの思い出をウェールズのメディアWalesOnlineの新しいインタビューの中で語っています。

現在77歳のスレイドは過去60年にわたり、トム・ジョーンズ、オリビア・ニュートン=ジョン、デヴィッド・ギルモア、マンフレッド・マンズ・アース・バンド、ユーライア・ヒープ、ゲイリー・ムーア、エイジア、そしてもちろんAC/DCまで多くのミュージシャンと共演してきました。

シンガーとタップダンサーの父を持つスレイドは幼い頃から音楽は生活の一部でした。彼は兄からドラムを教わり、幼い頃からドラマーになりたかったという。最初にライヴは11歳ぐらいの頃で、「父と一緒に演奏していたピアノ奏者と一緒に演奏したのが最初のショーだった」という。

その後、まだ10代だったスレイドは、若き日のトム・ジョーンズと出会い、1963年よりトム・ジョーンズのバック・バンドで活動を始めます。彼は1972年から1978年まで、マンフレッド・マンズ・アース・バンドのメンバーで8枚のスタジオ・アルバムに参加。1980年より2年間ユーライア・ヒープに在籍し、80年代半ばには、ジミー・ペイジやポール・ロジャースらとザ・ファームを結成。同時期にはピンク・フロイドのデヴィッド・ギルモアやゲイリー・ムーアとも共演しました。

AC/DCのオーディションを受けたのは、AC/DCとマネージメントが同じであったゲイリー・ムーアのツアーに参加したことがきっかけだったと、スレイドは説明しています。

「彼らの音楽は知っていたよ。『Highway to Hell』が発売されたときに買って、何度も何度も聴いていた。オーディションは、当時住んでいたところから1時間のところでやった。

(オーディションでは)アンガス(ヤング)とマル(マルコム・ヤング)が入ってきて、ドラムセットから10フィート(約3メートル)離れたところに椅子を二つ置いて、何も言わなかった。プレッシャーは全くなかったよ」

オーディションは、スレイドがバンドと数曲演奏しただけで終わりました。スレイドは失敗したと確信していました。

「オーディションがうまくいったとは全然思えなくて、1時間離れたイースト・サセックスの家に帰るまで、ずっと自分のことを責めていたんだ。自分を責めることで頭がいっぱいで道に迷ってしまった。妻に迷子になったと電話したよ。彼女はどうだったか聞いてきたので、俺は“ひどかった”と答え、家に帰ったら話すと言った。家に着くと、妻が小道を上がってきて“今、仕事が決まったって電話があったわよ”と言った。俺は“パブに行こう!”と言ったよ。

後にドラムテックのディック・ジョーンズが、(バンドは)100人のドラマーを試したそうで、俺が100人目だったと教えてくれた。当時は“うちのバンドには内緒だけど、AC/DCに挑戦したいんだ”とみんな言っていたんだ」

スレイドはAC/DCに加入し、1990年のアルバム『The Razors Edge』とそれに伴うワールド・ツアーに参加しました。すでにAC/DCはスタジアム・アクトでしたが、スレイドにとって問題ありませんでした

「19歳でマディソン・スクエア・ガーデンで演奏したんだ。気後れしたり緊張したりしたことは一度もない。傲慢に聞こえるかもしれないけど。でも、その音楽を知っていれば、どんなことだってできる。それは仕事だった。いい仕事だったけど、俺はいつもプロフェッショナルなんだ。バンドのためにベストを尽くす。彼らは素晴らしかった。マルコムは本当に素晴らしかった。彼は天才だった。今まで一緒に演奏した中で最高のリズム・ギタリストだった」

しかし、スレイドはフィル・ラッドの復帰のため、バンドを脱退。スレイドは2020年のインタビューの中で当時のことを回想し、ラッドの復帰はマルコム・ヤングとの電話を通じて知ったという。彼は「おお、すごい。そりゃ大変だ。それじゃあ、僕は去るよ」と言ったという。ヤングは彼を引き留めたかったようですが、スレイドはそんなことはしたくなかったと言い、バンドを去っています。

スレイドは、2005年までの6年間、エイジアで演奏。その後は、AC/DCのトリビュート・バンド、クリス・スレイド・スチール・サークルを率いる一方、セッション・ドラマーとしても活動していました。

その後、フィル・ラッドが不祥事により逮捕されたのを受け、2015年にAC/DCに復帰します。AC/DCのマネジメントから電話でツアーに参加する気があるかどうか尋ねたとき、彼はほとんど躊躇しなかったという。

「俺は“もちろんだ”と答えた。バンドは俺に(復帰を)要請したのかと尋ねると、マネージャーは“もちろん”と答えた。彼らが最初にそれを望まなければ、彼が俺に尋ねることはないだろうからね。バンドがロンドンにいるときは時々訪れていたが、それ以来あまり会っていなかった。おそらく数年ぶりだろう」

2015年と2016年に行われたAC/DCのワールド・ツアーは大成功でしたが、ヴォーカルのブライアン・ジョンソンは聴力の問題を抱えていました。

「何年もの間、一晩に8万人もの観客を動員したんだ。彼らには3つのステージがあった。自分の声に不満があるようだったブライアンに対して、俺はよく、君の声は完璧に聴こえるから心配するな、と言っていた。インイヤーモニターを使っていたからね」

2016年3月、ジョンソンはツアーから離脱を命じられ、一時的に離れました。AC/DCがステージに戻ったとき、ジョンソンの代役としてガンズ・アンド・ローゼズのアクセル・ローズがステージに登場しました。スレイドにとって驚きでした。

「正直言って、信じられない気持ちだった。バンドは4、5人のシンガーをオーディションした。俺は何も知らなかった。突然、“明日からアクセル・ローズだ”と言われたんだよ。もちろん、(彼の)怖い話は全部知っていた。彼に会って握手をしたとき、“こいつは大丈夫だ”と思った。そして彼はそうだった。聞いていたキャラクターとは全然違う。彼は素晴らしいジョークを言う。彼はブライアンと同じくらい面白いんだよ」

2016年のツアー終了後、AC/DCのさらなる活動の噂が流れましたが、スレイドは何が起こっているのか知らされなかったという。2020年9月、バンドはフィル・ラッドを再び迎えてのリユニオンを発表し、事実上スレイドは2度目の脱退を余儀なくされました。

スレイドは現在、自身のキャリアの曲を演奏するクリス・スレイド・タイムラインで活動中。2024年もイングランド、ベルギー、スコットランド、ポーランド、フランスでの公演がすでに決まっています。