A picture of Mickey Mouse in the 1928 short film Steamboat Willie - Photograph: LMPC/Getty Images
1928年に制作されたウォルト・ディズニーの短編映画『蒸気船ウィリー』に登場する初代版ミッキーマウスが、米国では2024年1月1日からパブリックドメイン(共有財産)となりました。これにより初代ミッキーマウスの二次創作が可能となり、早くも映画やゲームのトレーラー映像が公開されています。
初代ミッキーマウスの格好をした殺人鬼がゲームセンターで若者たちを襲うホラー映画『Mickey's Mouse Trap』のティーザー予告編が公開されています。この映画の配給会社はまだ決まっていませんが、米ハリウッド・レポーター紙は、この映画のプロデューサーが3月の公開を目指していると報じています。
またビデオゲーム開発会社Nightmare Forgeは、暗い倉庫の中でお化けのような姿の初代版ミッキーマウスがプレイヤーを追い詰めるホラーゲーム『Infestation 88』のトレーラー映像を公開しています。なお、別のゲーム開発会社Fumiは2023年末に、初代版ミッキーマウスのようなネズミをプレイする『Mouse』のトレーラー映像を公開していました。
世界で最も認知されるキャラクターのひとつであるミッキーマウスは、何十年もの間、ディズニーによって保護されてきました。
ウォルト・ディズニーが1928年に制作した短編アニメーション『蒸気船ウィリー』の著作権は、当初は1984年に保護期間が切れる予定でしたが、ディズニーはアメリカでの著作権の保護期間を「著作者の生涯+50年」とするよう働きかけて、初代版ミッキーマウスの著作権を2003年まで保護することに成功。
その後、ディズニーはユニバーサルを含むいくつかのエンターテインメント企業とともに、著作権保護を「著作者の生涯+70年」または発行後95年のいずれか早い方まで再び延長するよう働きかけ、これも成功しました。この米国著作権法の改正によって初代版ミッキーマウスは2023年末まで保護され、「ミッキーマウス保護法」とも揶揄されました。
ディズニーが保有していた初代版ミッキーマウスの著作権は2023年末を持って失効しましたが、あくまでも米国での話で、著作権保護は国によって異なります。
初代版には、現代版ミッキーが身に付けている手袋と特大の靴がなく、目も小さな黒い楕円形で、瞳も描かれていません。初代版ミッキーと現代版ミッキーにはいくつかの違いがあるので、ディズニーは現代版ミッキーの著作権には影響はないと主張しています。
■映画『Mickey's Mouse Trap』ティーザー予告編
■ゲーム『Infestation 88』のトレーラー映像
■ゲーム『Mouse』のトレーラー映像