エリック・クラプトン(Eric Clapton) は1966年に愛用ギターが盗まれた際、同じモデルを所有していた、後に
ポリス(The Police) を結成する
アンディ・サマーズ(Andy Summers) に売ってほしいと懇願。サマーズは断り続けたものの、根負けして売却したという。サマーズはリック・ベアトの最近のインタビューの中で、当時の思い出を語り、「200ポンドで売ったが、今は200万ポンドの価値がある。そんなこと誰が知ってるんだ?」と後悔も口にしています。
ジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズ(John Mayall&the Bluesbreakers) が1966年に発表したアルバム『ジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズ・ウィズ・エリック・クラプトン(原題:Blues Breakers with Eric Clapton)』のレコーディングでクラプトンが使用したサンバースト・レスポールは、アルバム・カヴァーでクラプトンが手に持っているコミック雑誌『Beano』にちなんで“Beano”と呼ばれています。
サマーズもクラプトンも、このサンバースト・レスポールを購入したのはロンドンの楽器店ローズ・モリスですが、最初に購入したのはサマーズでした。サマーズは、クラプトンがこのサンバースト・レスポールを手に取るようになったきっかけについて、こう話しています。
「エリックはイギリスでアメリカン・ブルースを広める手助けをしていた。ある夜、( ナイトクラブの)フラミンゴに入ったら、エリックがジョン・メイオールと一緒にステージにいて、ライヴの準備をしていた。彼は僕が持っていた美しいサンバースト・レスポールを見て“どこで手に入れたんだ?”と言ってきた。僕が彼に言うと、エリックはもう1本を取りに行ったんだ」
この楽器は、ジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズの1966年アルバムの成功に不可欠な要素となりますが、その年の暮れに教会ホールの練習室から盗まれてしまいます。それはサマーズにとっても悪い知らせでした。
「僕はその頃、58年製のホワイト・テレキャスターを使っていた。なぜかレスポールよりも気に入ったんだよ。(サンバースト・レスポールは)ベッドの下のケースに入れていたんだけど、彼は僕がそれを持っていることを知っていた。彼は何度も電話してきたよ。“売りたくないんだ”と断っていた。でも、後ろのピックアップが動かないみたいで、ちょっと変な感じがしていた。(あの頃は)誰も電子機器のことなんて知らなかった。君なら一回の微調整で直せたかもしれない。
ずっと抵抗していたんだ。あまりいい気はしなかったんだけど、最終的には売ることにした。彼は何度も電話をかけてきた。彼は本当にそれを望んでいたからね。
200ポンドで売った。今では200万ドルの価値がある。そんなこと誰が知ってるんだ?」(※米Guitar Worldによると、実際は50万ドルぐらいで取引されているという)
米Guitar Worldによると、クラプトンはサマーズから譲ってもらった2代目の“Beano”サンバースト・レスポールを、
クリーム(Cream) のデビュー・アルバム『Fresh Cream』のレコーディングで使用したという。しかし67年初頭にヘッドが破損したため、クラプトンが他のギターを使うようになったという。2代目の“Beano”は現在、ディーラーであるドリュー・バーリンの幅広いヴィンテージ・ギター・コレクションの一部となっています。
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