Gary Moore / Still Got the Blues
ゲイリー・ムーア(Gary Moore)が自身のルーツであるブルースを探求したスタジオ・アルバム『Still Got The Blues』(1990年)は新世代のブルース・ギタリストたちに多くの影響を与えました。
ジョー・ボナマッサ(Joe Bonamassa)もそのひとりで、彼は同作がギター界に与えた影響は絶大で、歴史を「以前」と「以降」に分けた分岐点とも言えるアルバムであると、米Guitar Worldの最近のインタビューの中で語っています。
Q:若いギタリストだったあなたに『Still Got The Blues』が与えた影響とは?
「(スティーヴィー・レイ・ヴォーンのデビュー・アルバム)『Texas Flood』と同じ、衝撃を受けたよ。“Still Got The Blues”という曲...音色、演奏!僕は13歳だったと思うけど、“わあ、信じられない!”と思ったよ。父から“これはレスポールだ”と言われて、“1本欲しい”と思ったんだ。『Still Got The Blues』ではそう思うものをたくさん作ってくれて、とても盛り上がったんだ。
僕がプレイするような音楽の先駆者は、ウォルター・トラウトとゲイリー・ムーアの2人。彼らは特にヨーロッパで、ブルースにもっとシュレッドなアプローチを取り、それがうまくいった。多くのプレイヤーに影響を与えたんだ。
ゲイリーは曲が素晴らしかった。次から次へと曲が出てきた。“Midnight Blues”、アルバート・コリンズとの“Too Tired”、アルバート・キングの“Oh Pretty Woman”などは、これらの曲の決定的なヴァージョンだよ。“Still Got The Blues”はとにかく美しい曲で、アメリカで大ヒットした」
Q:アルバム『Still Got The Blues』がギター界に与えた影響は何だと思いますか?
「“以前/以降”のアルバムだと言える。すべては、このアルバムの前にあったもの、または後にあったもの、に分けられると思う。こんなアルバムはなかった。彼のロック作品、シン・リジィとの作品や80年代のソロ・アルバムはそれを示唆していたけど、彼が“今度はブルース・アルバムを作りたい”と言い出して、それを見事にやり遂げ、ロックとブルースの間を最も完璧な形で貫いたことで、ひとつのジャンルが生まれたんだ。僕の考えでは、スティーヴィーはロックというよりブルースだった。ゲイリーはブルースというよりロックだったんだ」
Q:アルバート・キングやアルバート・コリンズとのコラボレーションを初めて聴いたとき、どう思いましたか?
「素晴らしいと思ったよ。彼らがゲイリーをどれだけリスペクトしているかがよくわかった。アルバート・キングは、僕が会えなかったけど、会いたかった唯一の人。アルバート・コリンズとは一緒にプレーできた。アルバートとアルバートについて思ったのは、彼らがどれだけゲイリーをリスペクトしていたか、そして彼らがあのアルバムに参加することがゲイリーにとってどれだけ意味があったかということを如実に表しているということなんだ」
Q:あなた自身の演奏の中で、ゲイリーをどの程度意識していますか?
「たくさんあるよ。彼からは大きな大きな影響を受けた。特にバラードはね。(ゲイリーの影響なしでは)“アダルトな”コード・チェンジでバラードを演奏することはできない。僕はアダルトのコード・チェンジのバラードでたくさんのレコードを売ったけど、ゲイリーがいなければ“Sloe Gin”は弾けなかった。僕たちがやるようなスローな曲は弾けない。すべてゲイリー・ムーアのプレイブックなんだよ」