ザ・ポーグス(The Pogues)の
シェイン・マガウアン(Shane MacGowan)の最後の願いは“らしい”ものでした。アイルランドでは通夜にあたる儀式をウェイク(wake)と呼んでおり、埋葬の前夜に人々が集まって故人のことを語らって楽しく飲み明かします。シェインの場合も葬儀の後、ウェイクがバーで行われましたが、シェインはウェイクのために1万ユーロ(約160万円)を事前にバーに渡していたそうです。彼の願いは、弔問客に酔っ払った夜を楽しんでもらうことでした。
シェインの葬儀は現地時間12月8日、アイルランド南部のティペラリー州ニーナーにある教会セント・メアリー・オブ・ザ・ロザリーで執り行われました。ウェイクは、この小さな町、ニーナーのザ・ザッチド・コテージにあるバーで行われました。このバーを経営するフィリップ・ライアンは、シェインの葬儀を執り行った葬儀屋も兼ねていました。
シェインの飲み仲間の一人は英インデペンデント紙にこう語っています。
「バーには、すでに1万ユーロが無料ビール代として渡されているんだよ。それがシェインの最後のリクエストだったんだ」
同紙によると、シェインのウェイクは招待客だけが参加できたものだったという。同紙は誰が巨額のバー代を負担したのかは不明であるものの、何十人もの弔問客がシェインの遺産から資金提供を受けたと語っていると報告しています。
ウェイクは午後6時から午前4時過ぎまで行われ、弔問客の中には、シェインの長年の友人であるジョニー・デップ、プライマル・スクリームのボビー・ギレスピー、ザ・ポーグス時代のバンドメイト、そしてグレン・ハンサードも含まれていました。
ハンサードは葬儀のときと同じようにバーでザ・ポーグスの名曲「Fairytale of New York」を演奏しました。またスパイダー・ステイシーらザ・ポーグスのメンバーが「The Body of An American」を演奏したという。