映画『ターミネーター2』のT-1000役の第一候補は
ビリー・アイドル(Billy Idol)でしたが、直前のバイク事故で負った怪我のせいで実現しませんでした。ビリーはQ誌の新しいインタビューの中で、T-1000役の候補だったことについて語っています。また1993年アルバム『Cyberpunk』について「少し誤解されていると思う」とも話しています。
Q:数年前のロバート・パトリックのインタビューによると、あなたはもともと『ターミネーター2』のT-1000役に抜擢されていたそうですが、実際にそれについて話しているのを聞いたことはないと思います。
「オーディションは受けたんだけど、ひどいバイク事故にあってね。ジェームズ・キャメロンはいつも、本読みでもオーディションでも何でも撮影するんだ。この作品でもそうで、実際に見たんだけど、ある場面で彼自身が“T-1000は生きている!”と言っているんだよ(笑)。俺は警察のヘルメットをかぶっていたし、サングラスもしていた。でも困ったことに、俺は走れないといけなかったんだ。T-1000が車を追いかけて走るシーンがあるだろう。走れないといけなかったんだけど、バイク事故で足を引きずっていたから、映画には出られなかった。最悪だ。スタン・ウィンストンの特殊効果部門は、俺をT-1000に見立てたデッサンを描いていた。でも結局、ロバート・パトリックが、俺には決して出せないような冷たい表情をもたらしてくれた。彼は本当にロボットのような冷たい表情をもたらした。だから、適任者がこの仕事を引き受けたんだよ」
※ビリー・アイドルは1990年2月6日、ハリウッドでバイク事故を起こし、医師から右足の切断が必要かもしれないと言われるほどの大けがを負いました。
※T-1000役を最終的に務めたロバート・パトリックは、フィルターのフロントマン、リチャード・パトリックの兄。
Q:過小評価されていると思うアルバムはありますか?
「『Cyberpunk』は少し誤解されていると思う。過小評価されているかどうかはわからない。俺のベスト・レコードのひとつではなかったからね。でも、みんなは少し間違った印象を持っていると思う。俺がそれ(アルバムのテーマ)について語るのにベストな人間ではなかったかもしれないが、俺たちは皆、世界に訪れるある種の変化に対処していたんだ。これから何が起こるのかはわかっていた。レコーディングに関しては、すでにそれに対応し始めていたからね。通常のアナログ・デスクとかではなく、コンピュータを使って録音するPro Toolsシステムとか。俺たちはそのすべてに対応し始めていた。
トレヴァー・ラビンはProToolsの初期ヴァージョンを持っていて、未来のレコーディングになるであろうリグの初期ヴァージョンを試していた。俺は彼と一緒に曲を書いていたので、何となく知っていた。だから、新しいレコーディングの方法があることは知っていた。最終的には、それが標準的な状態になることは目に見えていた。だから、それを受け入れて、このマシンを使って全アルバムをレコーディングしようと決めたんだ。実際に自分の家で水面下でやった。とてもインディーズ的なアルバムで、みんなにはそれが伝わらなかったんだと思う。
本当は映画のサウンドトラックになる予定だったんだけど、頓挫してしまった。映画『Lawnmower Man 2』のサウンドトラックになる予定だったんだけど、映画会社がそういう方向には進まないと決めたから、すべて頓挫してしまったんだ。結局、ビリー・アイドルのアルバムにすることになったんだ。だから、ある意味で誤解されてしまったんだよ」