テレビに寄り添ってきたメディアである「テレビ情報誌」の知られざる裏話の数々が明かされる。テレビ誌の歴史をひもとき、メディアの未来を考察する書籍『テレビ情報誌のメディア史―興亡の歴史と未来―』が、雑誌「TVガイド」を発行する東京ニュース通信社から12月26日発売。
■『テレビ情報誌のメディア史―興亡の歴史と未来―』
平松恵一郎/著
発売日:2023年12月26日(火)※一部、発売日が異なる地域がございます
定価:2,530円
仕様:A5判、ソフトカバー、224ページ
発行:東京ニュース通信社
<内容>
テレビが「娯楽」から「情報」になっていく時代。
こういうカルチャー史の記録が欲しかった。
――コラムニスト・泉麻人(元週刊TVガイド記者)
(帯文より)
「週刊TVガイド」(1962年~)、「TV LIFE」(1983年~)、「TVステーション」(1987年~)、「月刊ザテレビジョン」(1995年~)等、雑誌の休刊が相次ぐ中、テレビ番組表を掲載した“テレビ情報誌”というジャンルの雑誌は、いまだ数多く生き残っている。
本書では、テレビに寄り添ってきたメディアであるテレビ情報誌の歴史をひもとき、メディアの未来を見据える。
1960年代、アメリカの「TV GUIDE」編集部から教わったこととは?
「ザテレビジョン」創刊メンバーは「TVガイド」から引き抜かれていた?
「テレビブロス」=「ポパイ」+「ホットドッグ・プレス」+「宝島」?
など、テレビ情報誌の知られざる裏話の数々、次々と誕生してきた背景が明かされる。業界の当事者たちの証言を交え、テレビ情報誌の歴史をきめ細やかに考察した1冊だ。
<目次>
序章 テレビ情報誌誕生前夜
テレビ情報誌とは何か/アメリカで生まれたテレビ情報誌/新聞にラジオ番組表が誕生/ラ・テ欄の誕生/新聞にとってラ・テ欄とは/テレビ情報誌の誕生
第1章 『週刊TVガイド』の誕生
もとは英字新聞の会社だった/アメリカが教えてくれた/『週刊TVガイド』の誕生/ライバル誌の出現/『TVガイド』の変遷/テレビ情報誌の読者層/『TVガイド』にとって番組表とは/テレビ欄の配信事業/番組表の外注化
第2章 総合出版社の参入
騒がしくなるテレビ情報誌市場/『ザテレビジョン』の創刊/新しいテレビ情報誌を創る/バラエティーに富んでいた表紙/週刊テレビ情報誌の変遷/『ザテレビジョン』の休刊
第3章 若者雑誌を志向した隔週刊テレビ情報誌の誕生
それはエアチェックから始まった/ビデオ時代のテレビ情報誌/次々に創刊した隔週刊誌テレビ情報誌/ターゲットは若者だった
第4章 テレビ情報誌の新しい形
『テレビブロス』創刊の背景/テレビ情報誌の多様化/『テレビブロス』の軌跡と「ブロスらしさ」/ネット時代の隔週刊テレビ情報誌
第5章 テレビ情報誌は月刊誌の時代へ
月刊テレビ情報誌とは何か/始まりは衛星放送専門誌/地上波を掲載した月刊誌の誕生/衛星放送専門誌からの脱却/CS放送の誕生/BSデジタル放送がスタート/BS放送と韓国ドラマ/月刊テレビ情報誌の新しい形/ライトユーザーの増加
第6章 テレビ情報誌か、芸能情報誌か
放送局にとってテレビ情報誌とは/テレビ情報誌から番組表がなくなる日/読むテレビ情報誌/番組表のないテレビ情報誌への取り組み/番組表のその先へ
第7章 日本のテレビとテレビ情報誌
テレビ自体の環境の変化/地デジ化におけるテレビ情報誌/テレビ情報誌の現在/テレビの黄金時代とは/ビデオ録画とテレビ情報誌/録画予約のスタンダードとなったGコード/テレビゲームの登場/リモコンが変えたテレビ視聴/テレビ情報誌の2極化
終章 メディアに寄り添うメディアとして
メディアとは何か/テレビ視聴とテレビ情報誌の関係/テレビとともに存在するテレビ情報誌
あとがき
引用・参考文献
【著者プロフィール】
平松恵一郎(ひらまつ けいいちろう)
1960年生まれ。東京都出身。東京ニュース通信社において「テレビブロス」「TVガイド」「テレビタロウ」をはじめ、さまざまなテレビ情報誌編集長を歴任。現在は実践女子大学非常勤講師、東洋学園大学兼任講師。2022年、東京経済大学大学院コミュニケーション学研究科博士後期課程修了。博士(コミュニケーション学)。専攻分野はメディア論、ホスピタリティマネジメント。共著書に「ホスピタリティマネジメント―活私利他の理論と事例研究―」(白桃書房)、TVガイドアーカイブチームとして「テレビドラマ オールタイムべスト100」「プレイバックTVガイド その時、テレビは動いた」(ともに東京ニュース通信社)がある。