HOME > ニュース >

イエス「Owner of a Lonely Heart」40年 生みの親トレヴァー・ラビンが制作の思い出を語る

2023/12/03 21:21掲載
メールで知らせる   このエントリーをはてなブックマークに追加  
Yes / 90125
Yes / 90125
イエス(Yes)のヒット曲「Owner of a Lonely Heart」がリリースされてから40年。この曲の生みの親、トレヴァー・ラビン(Trevor Rabin)が制作時の思い出をBraveWordsのインタビューの中で語っています。

Q:「Owner Of A Lonely Heart」の作曲とレコーディングについて

「ロンドンに住んでいた時、バスルームの音響が素晴らしかったので、そこで(ギター・リフを)書いたんだ。トイレに座ってそのリフを弾きながら、“これは本当に、本当にクールだ”と思ったのを覚えているよ。次の日も、またトイレでこの曲を弾いて“これはイケるな”と思ってサビを書いたんだ、“Owner of a lonely heart”とね。リフを弾き始めてからほぼ2日以内にできたよ。

これがきっかけでデヴィッド・ゲフェンと契約することになったんだけど、その半年後、僕がやっていることが彼の考えとは違うということで契約解除になったんだ。その後、(他のレコード会社に)テープを送った。RCAという別のレコード会社から返事が来て、ロン・フェアがA&R担当だった。彼は僕に電話をかけてきて“この曲はNo.1ヒットだ”と言ってくれた。この曲が1位になるなんて、そんなことを言ってくれたのは彼が初めてだった。彼はこれを認めてくれた最初の人だったんだ。

(アルバム『90125』の作曲セッションでこの曲がバンドメンバーに披露されたとき、いくつかの重要な貢献がなされたという)

クリス(スクワイア)はモータウンのベースを書いた。モータウン風にジャムっていたら、彼がこのベース・リフを思いついたんだ。それがうまくハマった。サビはあまりいじらなかった。ジョン(アンダーソン)が歌う直前にヴァース(サビに入るまでの導入部分)を書き直したよ」

Q:歌詞はすべてあなたが書いたのですか、それとも共同作業ですか?

「サビは全部、僕が書いたまんまだよ。ヴァースはジョンがいくつか書いて、僕がいくつか書いて、それからモータウンっぽいところはジョンが全部書いたと思う」

Q:プロデューサーのトレヴァー・ホーンはこの曲に何をもたらしたのでしょうか?

「彼はスタジオでは素晴らしいコーチだった。夕方6時に共に働き始めると、かなり集中できるようになった。彼はそれで上手かったし素晴らしかった...長い間リハーサルしていた“Our Song”という曲があったんだけど、ミックスされると新鮮に聴こえたんだ。だから、バンドにとって彼は合っていたと思うよ」

Q:この曲のビデオについて何を覚えていることはありますか?

「ビデオを担当したのは、アルバムのジャケットで有名な人たち(ヒプノシスのストーム・トーガソン)だった。彼らから、このビデオの制作をかなり強く勧められたんだ。正直なところ、僕たちの誰もが、何をするのかよく理解していなかったと思う。少し複雑で、同時にほとんど漠然としているように思えた。正直に言うと、(当時は)最終的にそれを見て、“曲と何の関係があるのか理解できない”と思ったけど、MTVでよく放送されていたから、僕が間違っていたようだね。当時はMTVが重要だった。でも、大ヒットしたのは曲自体であって、ビデオが大ヒットしたのではないと思う。ビデオはあまり役に立たなかったと思うよ」

Q:この曲が大ヒットしたことに驚きましたか?

「ロン・フェアのことを思い出して、“ワオ、いいA&Rだな”と思った。彼は“可能性がある”とは言わなかった。彼は断言していた。その後、彼はプロデューサーとしてブラック・アイド・ピーズを手がけることになった。僕はずっと彼のことを尊敬している。僕との契約は、ずいぶん危険な賭けだった。僕はこの曲をたくさんのレコード会社に送った。アリスタ(レコード)からは“この曲はあまりにレフトフィールドすぎる。君の歌声には魅力があると思うが、曲はあまりに畑違い。もう少し普通の曲を書いてくれ”と言われた。だから、ロンはこの曲に対してかなり強い気持ちを持たせてくれたんだ」

Q:今、この曲を聴いてみて、どのような感想を持ちましたか?

「昔の曲だということがわかる。今ならもう少し今風にリミックスしてもいいと思うけど、それでも際立っている。たまにラジオで流れるけど、今でも新鮮に聴こえるよ」