鳥の世界　一発屋だとメスは退屈してしまう　多様な曲のレパートリーが必要　最新研究結果

一発屋だと相手は退屈してしまうため、興味を維持するためには多様な曲のレパートリーを持っていなければならない…これは鳥の世界の話。オスの鳥は、相手を惹きつけるために美しい歌を歌う必要がありますが、最近の研究によると、一発屋だとメスは退屈してしまうそうです。

イギリスのランカスター大学とマンチェスター・メトロポリタン大学で行われた研究によると、高い精度で鳴き声（さえずり）を繰り返すことができるオスの鳥は、メスを惹きつける確率が高いことがわかりました。またメスの興味を維持するためには、オスは多様な曲のレパートリーを持っていなければならないという。

鳥類の求愛における鳴き声の重要性を理解するため、研究者たちはランカスター大学近郊で繁殖する野生のアオガラ（※シジュウカラ属の小鳥）に焦点を当てた2年間の研究に着手しました。研究者たちは、厳重に監視された巣箱から発せられる約7,000の鳴き声を録音し、分析しました。

その後、研究者らは、メスのアオガラに録音した鳴き声を聞かせる実験を行いました。その結果、オスの鳴き声の一貫性（同じパターンの音を正確に繰り返す能力）が、メスの興奮を高める重要な要素であることがわかりました。

同じ音を正確にコピーして歌うことはメスにとって魅力的であることがわかりましたが、しかし同時にそれは単調であることも判明しました。慣れにより、メスの鳥の反応は徐々に低下しますが、オスが別のタイプの歌に変えたり、歌と歌の間に無音のポーズを入れたりすると、メスは再び興味を示すようになったそうです。

鳴き声の一貫性はオスの資質を示すものだと筆頭著者のJavier Sierro博士は述べています。

「鳴禽類の歌唱は複雑な運動パターンを実行する必要があり、同じパターンの音を正確に繰り返すことができることは、潜在的な交尾相手に強い運動能力を示すものであり、これは良い交尾相手に不可欠な資質を示すものです」

博士は、その資質とは単に身体的能力だけでなく、社会的地位、繁殖能力、寿命、性的魅力、縄張りを守る能力なども含まれると付け加えています。

この研究では、鳴き声の一貫性と繁殖の成功との間に関連性があることも立証されたと報告しています。