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ウリ・ジョン・ロート、若い世代のギタリストは技術的にも音楽的にも優れているがギターの音色について理解不足だと語る

2023/11/28 18:25掲載
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Uli Jon Roth
Uli Jon Roth
ギター仙人ウリ・ジョン・ロート(Uli Jon Roth)は、若い世代のギタリストは技術的にも音楽的にも優れているが、ギターの音色について最も重要なことを十分に理解していないと語っています。ポッドキャスト『Academy of Tone』のインタビューより。

「最近は、素晴らしいテクニックを持った子供たちがたくさんいる。彼らはとても音楽的で、演奏もできる。でも、音色や表現にこだわるギタリストを耳にすることはとても稀で、みんな工場で作られたような音になりがちだ。そうやって育ってきたのだから、彼らを責めることはできない」

ウリは、現在の若い世代のギタリストたちが、本物を模したシミュレートされた音色にこだわりすぎていることにも言及しています。ある意味、ウリにとっては、それはファストフードと格調高い料理を比べるのと同じことだという。

「彼らが参考にしたのは、もしかしたらボタンを押す小さな箱(エフェクター)だったかもしれない。“プレキシ(※ビンテージ・マーシャル・アンプ)みたいな音だね”。もちろん、そんなことはない。ちょっと似ているような気がする程度だ。本物の耳と本物を持っていれば、それは大きな違いなんだ。マクドナルドと、ナポリやフィレンツェの素晴らしいイタリア料理の違いのようなものだよ。

本当に優れたプレイヤーの中には、ひどい音色で演奏している人がたくさんいる。私でも、時には、そういうこともある。ライヴをやっていて、アンプが悪くて、何もかもがダメだということもある。自分の思うような音色が得られないことも時々ある。

だから、誰かを非難しているわけじゃない。ただ、実際の音に対する感性が少し復活してくれたらいいなと思っている。もちろん、MP3とかも含めてね。

70年代と80年代には、銅線を使ったオムニ・スピーカーで聴くオーディオマニアがたくさんいた(笑)。多くの進歩があった時期があった。CDが登場し、最初は12ビット、そして16ビットになった。それが今はMP3とかで、Alexaはモノラルだよ。

文明の終わりのようなものだね。マクドナルド社会で育ってきた人たちは、それが当たり前なんだろう (笑) 。ハンバーガーみたいな音を聴いているだけだ。もっといい音があるのにね」

この子たち(現代のギタリスト)はわかっていない。彼らはミッキーマウスのような小さな音に慣れているし、それを前もってコントロールできるから、彼らにとっては普通のことなんだろうね。

でも、部屋の中のすべての分子を移動させるときに、ある程度の音量があれば生み出せる“本当のマジック”を、彼らは知らない。人の感覚にストレートに入ってくるんだよ。

だから私は普段は、知らないエンジニアとサウンドチェックをすることもないんだ」