Geddy Lee (Image: [c] Timothy Hiatt/Getty Images)
ラッシュ(Rush)のベーシスト/ヴォーカリスト、
ゲディー・リー(Geddy Lee)は「ラッシュの曲の中で歌いながら演奏するのが一番難しいのはどれ?」の質問に答えています。11月15日にカナダのモントリオールで行われた著書『My Effin' Life』のQ&Aセッションより
「これまで書いた曲の中で、歌いながら演奏するのが最も難しかったのは(2012年アルバム)『Clockwork Angels』に収録されている“The Anarchist”だった。
というのも、あの曲は明らかにベースを先に書いた。もちろん、デモの段階でベッド・トラックみたいなものを組んだ時にはベース・パートがどうなっているかなんて考えずにメロディーを書いた。そのあと、曲の制作が終わってリハーサルをしているときに初めて、両者(ベースとヴォーカル)がリズム的にまったく違うことに気づいたんだ。制作途中ではまったく気付かなかった。
通常、僕のベース・パートはあるパターンに従っていて、そこに声がすっと入っていくんだけど、これだけは不可能だった。だから、ベース・パートのことをまったく考えなくてよくなるくらいになるまで、この曲をベースだけで何週間も弾き続けた、歌わなかったんだ。本当に集中してやったら、できるようになったんだ。できる方法を見つけたんだ。
ライヴで演奏するようになったとき、この曲はドラマーがするように、自分自身を分割しなければならない曲なんだ。ドラマーには独立性がある。ベーシストは常に独立性を持っているわけではないので、本当に大変だったよ」
演奏の難しさにもかかわらず、ラッシュはこの曲を敬遠することはしませんでした。海外のセットリストサイトSetlist.fmによると、ラッシュはライヴでこの曲を計107回演奏しています。
「The Anarchist」
Q&Aセッションの映像