英国唯一の「レコード・ホテル」を特集　5万円分のレコードを購入すると2万7000枚以上のレコードが揃っている倉庫に無料で宿泊

英国には、レコードショップの倉庫に泊まれる「レコード・ホテル」があります。約5万円分のアナログレコードを購入すると、2万7000枚以上のレコードが揃っている倉庫に無料で泊まれるというもので、宿泊客のほとんどは一晩中起きているのでチェックアウトの時間は寝不足だという。英ガーディアン紙が特集しています。

このイギリスで唯一だという「レコード・ホテル」の店名は「Vinyl Pimp」。ここでは、宿泊客が250ポンド（約4万7千円）以上のレコードを購入すると、あらゆるジャンルの音楽が揃っているというロンドン東部の倉庫に無料で一泊できるというユニークな提案を提供しています。追加の宿泊客にはさらに100ポンドが加算されます。

店内には、中2階のベッド、快適なソファ、そしてレコードプレーヤーが置かれた大きな部屋があります。レコードがぎっしり詰まった棚の隣には、DJデッキが置かれたステージもあります。

このホテルは、香港出身の起業家Luk Man Honによる最新のベンチャーです。Lukは1990年代に学校のためにイギリスに渡り、プリマス大学でビジネスを学んだ後、営業職のキャリアを捨てて、レコード、特にテクノからトランスまでのダンスミュージックへの情熱を収益化し始めます。

彼は小さなレコード・コレクションを引き受け、コレクターに代わってオンラインで販売することから始めました。その後、店舗経営にも乗り出しますが、もともと店舗経営には消極的で、パンデミックが発生し、家賃の値上げが提案されると店舗を閉鎖。その後、ブレグジット（英国のEU離脱）により、ヨーロッパからのオンライン・セールスは低迷したため、対面での集客に力を入れるようになり、「レコード・ホテル」というアイデアを思いつきます。

Lukは「（店舗経営の経験から）お客さんは夜遅くまでいる。みんなの決断を急がせたくなかったんだ。部屋に泊まっていいし、料金を請求する必要もないと思ったんだよ」と、デヴィッド・ボウイやワープ・レコードの記念ボックスセットなど、整理の新品が並べられた棚のそばで、そう話しています。

この倉庫では月に8人ほどのゲストを受け入れており、誕生日や記念日を祝うDJやカップルが多いという。

Lukは普段、この倉庫に住んでいます。「5つ星ホテルではないよ。スピーカーは真夜中までしか鳴らすことができないけど、客はヘッドホンで聴きながらインターネットを閲覧したりリスニングを続けることができる」

このホテルで働くフランス人DJはValentine Comarは「お客さんは一晩中起きているので、店を出るときには少し落ち着きがないことが多いのよ」と言っています。