誰も書けなかった「小田和正」。その音楽人生をたどる評伝『空と風と時と 小田和正の世界』が文藝春秋から11月22日発売。著者が約20年にもおよぶ年月をかけ、小田和正の幼少期から現在までの76年の音楽人生を、本人インタビューを中心に取材。親族、友人、音楽関係者からの多数の証言を60曲に及ぶ楽曲とともに紹介しています。
■『空と風と時と 小田和正の世界』
著者:追分日出子
判型:四六判上製カバー装 632ページ
発売日:2023年11月22日(水)
定価:3,190円(税込)
ISBN:978-4-16-391781-8
出版社:株式会社 文藝春秋
<内容>
幼少期に出会った音楽、学校の帰り道、聖光学院の同級生だった鈴木康博さんとビートルズの歌をハモる楽しさを知り、音楽の道へ。13人しか観客が来なかったコンサートなど、2人のオフコースの下積み時代、5人のオフコースとなり、スーパーバンドに成長していく中での鈴木康博さんの脱退、そして4人のオフコースになるも解散……。
当時のレコード業界やレコーディング風景から、「さよなら」「眠れぬ夜」「YES-YES-YES」「ラブ・ストーリーは突然に」など大ヒットした数々の名曲の誕生秘話も明かされます。
著者は元オフコースのメンバーである、鈴木康博さん、清水仁さん、大間ジローさん、松尾一彦さんに、バンド解散後、全員に取材。盟友・吉田拓郎さんから見る「人間・小田和正の魅力」や、初期のファンクラブ会員だった作家の川上弘美さんが見た2人時代のオフコースも読みどころの一つです。
また、本編とは別に、2022年から2023年の全国アリーナツアーに全行程随行した記録「LOOKING BACK 2022」6本、さらに、21ページに及ぶ「小田和正バイオグラフィ」を収録。直筆の楽譜や、東北大学時代の卒論にあたる「卒業設計」も掲載。
本作品は、ストイックなまでに、自分の理想とする音楽を追求してきたアーティストの一大叙事詩ともいえる記録です。
■著者の追分日出子さんより
「小田さんには2005年以降、繰り返しお話を伺ってきました。この約20年間の小田さんの言葉がずっしり入っています。さらに、親族、友人、音楽関係者、スタッフなど、50人を軽く超える方々に話を伺いました。とくにオフコースのメンバー全員と、一人ずつお会いし、じっくりお話を伺うことができたのは貴重でした。オフコースの〈光と影の歴史〉について、当事者たちが語る初めての本になりました。また1970年代、音楽の世界が大きく変わっていく現場にいた人々の貴重な証言など、〈時代の中の小田和正〉を意識しました。さらに2022年2023年の全国ツアーにはスタッフとしてすべて同行、ツアーコラムを評伝の間にはさみました。多くの楽曲について、その背景を知ったうえで、改めて味わって頂こうと、結果的に、60曲もの歌詞を引用しました。小田さんの歌詞は、ご自身の心のなかを見つめ、それを言葉にしています。改めて、小田さんの音楽人生とその歌詞を味わって頂けたらと思います」
■著者プロフィール
追分日出子(おいわけ・ひでこ)
千葉県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。「カメラ毎日」編集部、週刊誌記者を経て、『昭和史全記録』『戦後50年』『20世紀の記憶(全22巻)』(毎日新聞社)など時代を記録する企画の編集取材に携わる。著書に『自分を生きる人たち』(晶文社)『孤独な祝祭 佐々木忠次 バレエとオペラで世界と闘った日本人』(文藝春秋)など。