Christone "Kingfish" Ingram - Photo by Rory Doyle
新世代のブルースアーティストの代表格のひとりである、ブルース・ギタリスト/シンガーソングライターの
クリストン・“キングフィッシュ”・イングラム(Christone "Kingfish" Ingram)。Total Guitar誌の新しいインタビューの中で、ブルース・ミュージックの現状を振り返り、現代のブルース・アーティストやファンの多くがこのジャンルの幅広い歴史に無知であることを指摘しています。ブルースに精通するということは、単に有名プレイヤーの演奏を聴き、その音色を再現し、ソロを学ぶということではなく、このジャンルの歴史を研究し、理解することでもあると述べています。
「多くの人は無知であり、ブルースの本当の意味を理解していない。スティーヴィー・レイ・ヴォーンのビデオを何本か見て、必要なのはディストーションと速いフレーズだけだと思っているんだよ!
それは真実ではない。この音楽がなぜ先人たちによって作られたのか、その理由を理解する必要がある。この音楽は、痛みや苦しみから生まれたものだと理解しなければならないんだ」
それこそが、現代のブルースを取り巻く問題の核心だと彼は言っています。ギタリストたちは、フレーズ、リフ、ソロ、そしてこの分野の幅広い音楽的な仕組みといったブルースのコツを学ぶことには熱心ですが、音楽そのものの源流である奴隷制度や人種抑圧の歴史を研究することを怠っていると指摘しています。
「そこが多くの人が間違っているところなんだ。彼らはブルースの本質を知ろうとも理解しようともしていない。ブルースはクールだとかどうでもいい。みんな、きちんと学んで、それを完全に理解したつもりになる前に、歴史を学ぶべきだと思うんだよ」