Esperanza Spalding - Photo by Zach Hilty/BFA/REX/Shutterstock
エスペランサ・スポルディング(Esperanza Spalding)の新曲はプロテストソング。ブラジルの先住民の権利を訴える「Não Ao Marco Temporal」が公開されています。
ブラジルのボルソナロ前大統領は、アマゾンで暮らす先住民の土地の所有権について、1988年の新憲法公布までに申告したものに制限しようとしていました。これは先住民の権利が制限される内容だったため、裁判となり、ブラジルの最高裁は判事11人のうち9人が「憲法が保障する先住民の権利に反する」と違憲の判決を下しました。
曲名にある「Marco Temporal」は、先住民の土地の境界設定における期限説のことです。
スポルディングは新曲の声明の中で、こう話しています。
「ブラジルの土地と人々に深い感謝と称賛の念を抱き、その土地から生まれた音楽のインスピレーションと教育から深い恩恵を受けてきた者として、この土地と先住民、そしてブラジルの領土に対する(継続的な)侵害を阻止するためにたゆまぬ努力を続けているコミュニティーに自分の声を加えないまま、この投票の成り行きを黙って見ていることはできなかった。
リオデジャネイロのある深夜、情熱的なミュージシャンたちがスタジオに集まり、私たちの才能とエネルギーを結集して、Marco Temporalに“NO”と言うよう、すべての関係者を勇気づけた。
そのエネルギーとメッセージが、ブラジルの裁判所や議会にMarco Temporalを拒否するよう圧力をかけるアドボカシー活動に貢献することを願って、私たちはこの曲を作りました」
スポルディングは、違憲の判決が出たものの、「ブラジル政府内の派閥はいまだにMarco Temporalを強行採決しようとしている」と主張しており、ファンに支援を呼びかけています。