アイズレー・ブラザーズの創設メンバー、ルドルフ・アイズレー死去

アイズレー・ブラザーズ（Isley Brothers）の創設メンバー、ルドルフ・アイズレー（Rudolph Isley）が死去。弟のロナルド・アイズレーやルドルフの娘が声明を発表しています。84歳でした。

ロナルド・アイズレーは米ビルボード誌にて声明を発表しています。

「兄への想いや愛を表現する言葉はありません。私たち家族は彼を恋しく思うでしょう。でも、彼がより良い場所にいることは知っています」

またルドルフの代理人であるブライアン・D・キャプラン弁護士は、Pitchforkにルドルフの娘からの声明を紹介しています。

「世界的に有名なアイズレー・ブラザーズの創設メンバーであるルドルフ・アイズレーは、2023年10月11日の朝、眠るように静かに息を引き取りました。自宅で、献身的な妻エレインのそばで亡くなりました。二人は結婚して68年になる。ルドルフはイエスを愛する信心深い人だった」

死因は今のところ不明ですが、ある関係者がTMZに語ったところによると、原因は心臓発作とみられています。

ルドルフ・アイズレーは1939年オハイオ州シンシナティ生まれ。10代のころには、兄弟のオケリー、ロナルド、ヴァーノンとファミリー・バンドで歌っていたが、ヴァーノンが事故で亡くなったため、彼らは一時的に活動を休止した。1957年、グループは活動を再開し、3人のアイズレー・ブラザーズはレコーディング契約を求めて故郷オハイオ州シンシナティからニューヨークへ向かった。そこで「Angels Cried」や「The Cow Jumped Over the Moon」などの最初の曲をレコーディングし、1959年にRCAレコードと契約。「Shout!」というヒット・シングルを出した。ファースト・アルバム『Shout!』をリリースした後、グループは「Twist & Shout」をカヴァーし、ビートルズがこのポップ・シングルで金字塔を打ち立てる1年前に、この曲を正真正銘のヒット曲に仕立て上げた。

1960年代初頭、アイズレー・ブラザーズは、彼らのバックバンドで短期間演奏したジミ・ヘンドリックスや、イギリスで共演したエルトン・ジョンなど、数多くの伝説的ミュージシャンと交流した。

グループはベリー・ゴーディと出会い、彼のモータウン・レーベルのひとつであるタムラと契約した。1966年、バンドはロナルド・アイズレーのリード・ヴォーカルとルドルフとオケリーのバッキング・ヴォーカルをフィーチャーした、タムラ最大のシングル「This Old Heart of Mine (Is Weak for You)」をリリースした。タムラからは2枚のアルバムをリリースした。

アイズレー・ブラザーズは自分たちのT-ネック・レコードからのリリースで大きな成功を収めた。このレーベルはグラミー賞受賞曲である1969年の「It's Your Thing」と、初のNo.1アルバムである1975年の『The Heat Is On』を生み出した。

1969年、トリオは弟のアーニーとマーヴィン、そしてルドルフの義弟クリス・ジャスパーをメンバーに加えて6人編成のバンドとなる。1984年、アーニー、マーヴィン、クリス・ジャスパーはアイズレー・ブラザーズから脱退し、アイズレー・ジャスパー・アイズレーを結成する。結成メンバーの3人はアイズレー・ブラザーズとして活動を続けるが、1986年にオケリーが亡くなった。アーニーとマーヴィンは1990年代にグループに復帰したが、マーヴィンは2010年に亡くなった。残ったアイズレー・ブラザーズはロナルドとアーニーの2人だけとなった。

ルドルフは1989年にアイズレー・ブラザーズを脱退し、クリスチャンの牧師になった。ルドルフは2022年にソングライターの殿堂入りを果たし、また彼とバンドメンバーは1992年にロックの殿堂入りを果たした。