Talking Heads - Stop Making Sense 40th anniversary 4K restoration ©1984 TALKING HEADS FILMS. ALL RIGHTS RESERVED
トーキング・ヘッズ(Talking Heads)のコンサート・フィルム『ストップ・メイキング・センス(Stop Making Sense)』の4Kレストア版は、新たに発掘されたオリジナル・ネガフィルムを使って制作されました。行方不明だったオリジナル・ネガが見つかるまでの物語が明らかにされています。
この映画の全世界での権利を新たに取得した映画制作・配給会社のA24は、映画の40周年に合わせて、2023年秋に4Kレストア版を上映することを目指していました。
3月には、
デヴィッド・バーン(David Byrne)が有名なビッグスーツをクリーニング店から回収する予告編映像が公開されていましたが、じつはこの時点ではオリジナル・ネガフィルムは見つかってはおらず、「完成させるのに十分な素材がなかったんだ」と4Kアップグレードを手がけたジェームズ・モコスキーは振り返っています。
モコスキーはオリジナル・ネガフィルムを探すために、ジョナサン・デミの遺族に連絡を入れます。大学に引き渡したデミの遺産の中から、過去20年間、映画のDVDやブルーレイを作るために使っていたフィルムを見つけますが、それはオリジナルではなく、第2世代か第3世代のコピーでした。その後、時間切れとなり、モコスキーは最終的に彼らが持っていた中で最高の画質のフィルムをスキャンすることしました。
しかし、彼は諦めずに、オリジナル・ネガフィルムを探す最後の努力をすることにしました。彼は気まぐれに、MGMが所有する作品のライブラリーを監督するスコット・グロスマンに電話をかけ、「MGMの映画でもないし、そこにあるべき理由も思いつかない。でもお願いだから、見て確かめてくれないか?」と頼みます。
そして10分後。
「電話が鳴ってスコットが写真を送ってくれたんだ。そこには『ストップ・メイキング・センス』のオリジナルのネガがあった。棚に置かれたまま、30年近く誰もチェックしていなかったんだ」
モコスキーがようやくそのネガを目にしたとき、ネガはほとんど手つかずの状態でした。
「新品同様だった。摩耗や損傷はゼロだった。行方不明だったことは、このネガにとって最高の出来事でした」
同じようなことが、映画のオリジナル・オーディオにも起こり、オリジナルのオーディオ・トラックは、何年も手つかずのまま金庫に眠っていたそうです。そしてオリジナル素材を使って4Kレストア版は制作されました。
トーキング・ヘッズのSNSアカウントは4月にオリジナルネガを発掘したことを報告していました。
●4Kレストア版のトレーラー映像