フィンランドのサイケデリック/プログレッシブロック・バンド、
キングストン・ウォール(Kingston Wall)。高い評価を得ている1990年代に残した3枚のスタジオ・アルバムが新たなミックス&マスタリングで再発されます。第2弾として2ndアルバム『II』(1993年)の2023年ミックス・ヴァージョンが10月6日にリリース決定。
すでに『I』 (1992年)の2023年ミックス・ヴァージョンはリリースされており、『III - Tri-Logy』(1994年)は2024年春にリリースされる予定です。
新しいミックスは、キングストン・ウォールのライヴ・ミキサーであり、『II』と『III - Tri-Logy』を録音したRobert Palomakiが担当する予定です。
Palomakiは以前のプレスリリースで、こう述べています
「キングストン・ウォールのアルバムは、かつて非常に早く作られていた。レコーディングにはかなりの時間をかけたかもしれないが、ミキシングは週末に数回程度で終わっていた。ビートルズの新しいミックス・アルバムを聴いたとき、キングストン・ウォールでも同じことをしたいと思った。リマスタリングを行ったとしても、最終的な仕上がりに大きな改善は見られないため、リミックスを行わなければならない。オリジナルの美学はそのままに、1990年代前半の技術的・時間的制約を克服したい。そうすれば、ある意味、まったく同じでありながら、よりよい結果を得ることができるはずなのです」
もちろん、その作業は簡単なものではありませんでした。プレスリリースによると、『I』のオリジナルアナログテープを復元し、素材をミックスするだけで6ヶ月を要したそうです。テープの状態は悪く、トラックが欠落していたり、同じテープに録音された過去のアルバムの音楽まで入っていたという。
「Petri Wallinと共にキングストン・ウォールの音楽を数週間、レコーディング・エンジニアとミキサーとして担当したことがあります。その歴史は、キングストン・ウォールの美学を理解するための音盤となり、この作品における私の指針となったのです。そこから、できること、できないことの線引きをしました。キングストンであれば、どんなことでもできるはずだ。そうでないものは、たとえその解決策が技術的に優れていたとしても、やらなかった」と、Palomakiは自身のミキシング哲学を語っています。